【なでしこジャパン】千葉玲海菜ら新戦力アピール。池田太監督が選手たちに要求したこととは？
千葉玲海菜。写真：早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
６月にはフィンランド遠征を予定。
日本女子代表（なでしこジャパン）のトレーニングキャンプが４月４日から10日まで、福島県のＪヴィレッジで行われた。女子ワールドカップ予選を兼ねたAFC女子アジアカップ準決勝で敗れたあと、初めての活動。国内組26人が招集される予定だったが、直前で７人が不参加、４人が追加招集された。
今回のテーマは選手層の底上げ。井上綾香（大宮アルディージャVENTUS）、白木星（マイナビ仙台レディース）、祐村ひかる（ちふれASエルフェン埼玉）、千葉玲海菜（ジェフユナイテッド市原・千葉レディース）らWEリーグで現在活躍している旬な選手たちが初めて代表入り。他にも池田太監督のもとでは初めて招集がかかった選手も多く、溌剌とアピールする姿が見られた。
トレーニングでは、なでしこジャパンに求められるパス＆コントロール、ボールの動かし方、ポジショニングなどの確認と落とし込みが行われた。またアジアカップで大きな課題として残ったセットプレーの確認も念入りにしていた。
キャンプ４日目には男子高校生とのトレーニングマッチ（30本×３本）で、取り組んできたことを実戦に落とし込んだ。その試合は植木理子（日テレ・東京ヴェルディベレーザ）の豪快なダイビングヘッドを含む３ゴールで、なでしこジャパンが3-1の勝利を収めた。
健闘していたのは直前に追加招集が決まった千葉だ。スタメンで臨み、１本目は左サイドハーフ、2本目はトップでスピードに乗ったドリブルで存在感を放った。また植木のヘディングをアシストするなど、サイドからの攻撃にも意欲的に絡んでいた。
「高いレベルの中でも、自分のスピードとフィジカルは強みになると感じました」
本人もそのように手応えを得ていた。
最終日にはさらに強度の高い男子高校生との締めの一戦が行われ、この試合は0-2で落とした。池田監督は「ビハインド（の展開）だったり、残りの時間、点差を考えた時に、自分たちがどのようにプレーに向き合っていくのか、どう行動するのか。なでしことして求めているレベルはそこではないと選手たちには伝えました」と語り、物足りなさを感じていた。
インターナショナルマッチウィーク、ヨーロッパではワールドカップ予選の真っただ中、そしてアメリカ、カナダ、ブラジル……ライバル国はそれぞれ親善試合や国際大会を戦っていた。日本は国内合宿での底上げに重点を置き、池田監督は選手たちに「もっと熱量が欲しい」と要求していた。
６月にフィンランド遠征、７月にE-1東アジア選手権、９月にアジア競技大会と対外試合が続く。東京オリンピックの１年延期で、新体制の強化期間も短くなった。日常の練習から、WEリーグの試合から、熱量を解き放つプレーを見せてもらいたい。
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[取材・文：早草紀子]