リバプール南野拓実は「被害者」。地元メディアが2月の”あの試合”と中断期間を嘆く
日本代表での(左から)中島翔哉、南野拓実、柴崎岳。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA ※写真はモンゴル代表戦より
英語の習得の速さに、アレクサンダー・アーノルドも驚く。
イギリスメディアの『リバプールエコー』はこのほど、イングランド・プレミアリーグのリバプールFCに所属する南野拓実について、「彼は被害者になっている。しかし明るい未来も待っているはずだ」と題した記事を掲載し、新型コロナウイルスの感染に伴うリーグ中断による影響と展望についてレポートしている。
記事では昨年10月2日のUEFA欧州チャンピオンズリーグ(CL)のグループステージ2節、RBザルツブルクに所属していた南野拓実がリバプールを相手に1ゴール・1アシストを記録したことを振り返る。その活躍を受けて、リバプールの選手が南野の獲得をユルゲン・クロップ監督に推薦したエピソードが取り上げられている。
そういった経緯により今年1月にリバプールに加入した南野だが、「ファンの懸念をすぐに取り払おうとしたものの、適応するのには難しい時期を過ごし、チーム状況の被害者となってしまった」と分析する。
起用すべきだったのではないかというのが、FAカップの再試合となったシュルーズベリー・タウンとの第2戦だ。南野は同カップのエバートン戦(○1-0)、シュルーズベリー・タウン戦(△1-1)でスタメン出場を果たした。
しかしプレミアリーグの延期されたウインターブレイク期間に組まれた、2月5日のFAカップ・シュルーズベリーとの再試合(〇1-0)を、南野も欠場している。しかし、彼はオーストリアで12月中旬から約半月、すでにウインターブレイクによって休んでいた。それを考えると、「この試合で起用すべきだったのではないか」と指摘しているのだ。
結果的にその後、新型コロナウイルス感染拡大によって、リーグ戦は中断を余儀なくされた。南野にとっては、それも痛手だった。
「リーグは無期限で延期となった。南野はこの期間を使いリバプールのスピードに適応するため努力したかったはず。しかしトレーニング施設での活動は休止され、フィットネスを維持するための個人プログラムが与えられている。チームに適応しようとしていた新たな加入選手にとって、実際のトレーニングと同様の効果を得るのは難しい状況だ」
リバプールへの適応を進めていた南野にとって、この中断期間がさらに向かい風となってしまっているのと嘆く。
一方、南野は英語の習得を進めていて、アレクサンダー・アーノルドは「自分が知るなかで一番速いんじゃないかな」と称賛しているほどだ。誰よりも南野自身が1日も早く、リバプールのメンバーとともにプレーしたいと思っているに違いない。
現在プレミアリーグは無期限の延期が発表されており、「安全が確保された場合」に限り、リーグ再開を迎えられることになっている。
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[文:サカノワ編集グループ]