なぜ?久保建英は連続不出場。エメリ監督の記者会見から浮かぶその理由とは
久保建英。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
前節先発、今回交代出場の18歳MFピノが豪快ボレーで同点弾。
[スペイン1部]ビジャレアル 1-1 ビルバオ/2020年12月22日(日本時間23日2:30)/エスタディオ・デ・ラ・セラミカ
スペイン1部リーグ、ビジャレアルCFはアスレチック・ビルバオとのホームゲームで1-1と引き分けた。公式戦18試合負けなしだが、同リーグでは岡崎慎司の所属するSDウエスカの9回に続く8度目の引き分け。久保建英はベンチ入りしたものの、2試合連続で出場機会を得られなかった。
攻撃陣にケガ人が相次ぐなか、19歳の日本代表レフティもベンチで出番を待った。開始19分にビルバオに先制点を決められたが、その後はホームチームが主導権を握って攻め込んだ。しかし、最近の傾向のように、なかなかゴールを仕留め切れない。
そしてビジャレアルのウナイ・エメリ監督が動く。前節のCAオサスナ戦(〇3-1)で先発した下部組織出身の18歳、ジェレミ・ピノがまず66分に左ウイングで投入されると、ポスト直撃のシュートを放つなど前線を活性化。74分、左足の強烈ボレーで同点ゴールを決める!
82分、オサスナ戦に続いて呼ばれたのはナイジェリア代表FWサムエル・チュクウェゼだった。しかし、勝ち越すことができず1-1でドロー。ビジャレアルは交代カードを1枚残したままだった。
エメリ監督は試合後の記者会見で、豪快なボレーを叩き込んだピノと、前線で好連係を見せたセンターフォワードの20歳のフェルナンド・ニーニョの活躍ぶりについて、次のように語っている。
「彼(ピノ)は自信を持って臨んでいます。彼が今必要としているのは経験です。そのプロセスの中で、成長速度を速めました。今日はいつ加速させ、いつ止まるのか、その判断が光っていました。フェルナンド・ニーニョも良かったです。これからも経験を積ませてあげなければいけません。後輩のお手本にもなるでしょう」
また、ここ最近の戦いぶりについて、安定感があるからこそ若手を起用できているとも話す。
「チームはバランスを保ち、崩れることがありません。それが自信につながっています。だからこそ、若手選手とのバランスが取れています。これらのポイントをしっかりと押さえておかなければいけません」
久保も若手の一人である。とはいえ、レアル・マドリードからのレンタルかつ外国籍選手(EU外枠)という“助っ人”の立場でもある。そのあたりで、ビジャレアルの下部組織から育てられたピノやフェルナンド・ニーニョに対する期待と、指揮官の要求は少し異なってくるのかもしれない。
試合は引き分けに終わった。冬の移籍市場での別チームへのレンタルも噂される久保ではあるが、このあと再び試合での出場機会は訪れるはずだ。ただ、自身のパフォーマンスや結果の追求のみならず、周囲の良さを引き出すことなど、ピノらとまた異なる武器も示したいところだ。
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[文:サカノワ編集グループ]