“本職”で期待膨らむ一方、ヘタフェ久保建英に待ち受ける「困難」とは?スペイン紙が指摘
久保建英。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
フィジカル強度重視の守備、特に右サイドでは――。
日本代表MF久保建英が1月8日、ビジャレアルCFとの期限付き移籍の契約を破棄し、保有元のレアル・マドリードからヘタフェCFにレンタル移籍されることが発表された。現在16位と低迷するチーム浮上へのキーマンとして、19歳のレフティに期待が懸かる。
スペイン紙『アス』は、さっそく久保に待ち受ける新天地での「困難な課題」を挙げている。
久保は今回、本職である右MFとして必要とされて、ヘタフェに移籍してきた。しかも最も力を発揮してきた4-4-2が基本布陣である。現在得点数(12得点)リーグワーストの攻撃のテコ入れを図るため、縦に仕掛けて変化を付けられて、高い位置で確実に起点を作ることのできるレフティは、確かに理想であり、フィットした時には大きな効果を発揮するイメージが浮かぶ。
一方、ヘタフェは武闘派集団として結果を残してきた。ホセ・ボルダラス監督は1対1の守備で一歩も引かず、ボールを自ら奪いに行く守備を求める。そこでボールを引っかけられれば、たちまち味方が加勢し、そのままゴールへと迫る。そのスタイルで昨季8位、その前年は5位という成績を収めた。
今季その強度に陰りが見えている。とはいえ久保にその役割が免除されるわけではない。
今季の右サイドは、ウルグアイ人DFダミアン・スアレス、カメルーン代表DFアラン・ニョムを中心に形成(マルク・ククレジャやクチョ・エルナンデスもプレー)。一方、左サイドは技巧派のククレジャやガブリエウ・フルタード(オリヴェイラ)が担ってきた。いずれもインテンシティの高さが一つの武器である。
とりわけ右サイドは、守備強度が重視されてきた。だからこそ、果たして久保がボルダラス監督の要求する強度を見せられるのか。その点を課題に挙げている。
あるいは、久保の守備に多少の目をつむるのであれば、シャドー(2列目)起用を推薦している。または右ウイングで起用する4-3-3の布陣採用も提案している。
1月20日(日本時間21日3:00)に行われる岡崎慎司の所属するウエスカSD戦では、少なくともメンバー入りするだろうと予想している。
ヘタフェは今季これまでスペイン1部リーグ、4勝5分7敗(12得点・17失点)で16位。先日はFCバルセロナからMFカルレス・アレニャを、久保と同じく今シーズン終了までのレンタルで獲得している。次戦は1月10日(日本時間11日2:30)、18位のエルチェCFとアウェーで対戦する。
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[文:サカノワ編集グループ]