引退!?長谷部誠「来年4月、進退決断」、その真意とは。フランクフルトで改めて価値を示す
フランクフルトの長谷部誠。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
グラスナー監督の意図を理解、37歳にしてポジションを奪い返しリベロとして攻守に躍動。
ドイツ・ブンデスリーガ1部アイントラハト・フランクフルトの元日本代表MF長谷部誠がこのほど、DAZNドイツのインタビューで2022-23シーズンの去就について、「4月に決めたい」と語ったという。『シュポルト・ブッツェル』が報じている。現在37歳、直近のSCフライブルク戦でリベロとしてフル出場し(〇2-0)、無失点とともに先制点につながるクサビのパスも放つなど活躍。何より今季就任したオリバー・グラスナー監督の意図を体現する貴重な存在となっている。
そうしたなかでの今回の発言。最近3シーズン、これが最後になるかもしれないと思ってきたという元日本代表キャプテンは、「だから、これが今季がラストになるだろう、と今は言いません。フランクフルトが私にプレーを続けてほしいのか、続けられないのかは分かりません。4月に決定します」と、来年春に時期を設定した。
クラブは2020-21シーズンの契約を更新する際、引退後のフランクフルトでの「アンバサダー」のポストも用意するという“異例”の条件も提示して合意に至っていた。そのため周囲は、引退への布石だろうと見ていたのだが――。
コロナ禍でチームづくりも困難を強いられ、しかも体制が大幅に変更。そこで長谷部は純粋に戦力としての価値を示し、改めて契約を更新した。もはや「年齢」は彼にとって、あまり意味をなさない。
実際今シーズンも開幕スタメンに抜擢されたが、その後、ベンチを温める日が続いた。ところが、チームが試行錯誤を続けるなか、長谷部も自らの役割であり、チーム内で何ができるかを客観的に考え、そしてグラスナー監督の戦術や狙いを理解し、フライブルク戦での会心のパフォーマンスにつなげた。
現役続行うんぬんを考えることがあまり意味をなさないと悟る“不惑”の領域に足を踏み入れつつある。そんな長谷部自身もドイツで引退後も指導者などキャリアを積みたいと語るなど、将来への道筋がある程度見えているのも大きく、むしろそれがプレーにも好影響を与えている。
いずれにせよスパイクを脱いだあとはサッカーに携わっていきたいと言う。ただ、「2、3か月は家族とゆっくりヨーロッパ旅行を必ずしたい」という“目標”を持っているそうだ。
今年5月に契約を更新した際、長谷部は「ちょうど1年前、『今シーズンで終わりかな』という感じはありました。そこから、リベロだけでなく、ボランチとしてもプレーできています。自分の中で少し決めてしまっていたリミットを、いい意味で壊すことができた。もう1シーズンプレーできるのは非常に嬉しいことです」と語っていた。
ヨーロッパカンファレンスリーグも今季からスタートし、欧州カップ戦の出場権を獲得できるかどうかもまた関係してきそうである。
いずれにせよ、長谷部は紛れもなくアイントラハト・フランクフルトのためだけに闘っている。クラブ、グラスナー監督がどのように判断するのか!? 進退の話題はここで一度“封印”し、ピッチの戦いに専心する。
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[文:サカノワ編集グループ]