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【高校選手権】浦和加入内定のDF藤原優大が誓った「あの埼スタでの忘れ物を取って帰るために」。青森山田が広島皆実に2-0勝利

青森山田の藤原優大。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

皆実のエース、閑田隼人を封じる。3日の3回戦は帝京可児と対戦。

[高校サッカー選手権2回戦]  青森山田 2-0 広島皆実/2021年1月2日/駒沢陸上競技場 ※40分ハーフ

 全国高校サッカー選手権2回戦、前回準優勝の青森山田が松木玖生、安斎颯馬のゴールで、広島皆実に2-0で勝利を収めて、ベスト16進出を決めた。

 2021シーズンの浦和レッズへの加入が内定しているセンターバックの藤原優大は、相手エースの閑田隼人を徹底マーク。1対1では完璧といえる対応を見せた。加えてセットプレー時には圧倒的な高さで空中戦を制圧し、松木らの高精度キックにより、一段と脅威を与えた。

 藤原は試合後のオンラインによる取材に応じて、試合を振り返った。

「今年のチーム(2020年度)は無敗でここまで来ていて、すごく自信があるなか、入りから平常心で、練習試合のように行こうという話をしていました。ただ、やはり選手権という独特の舞台に慣れていない選手もいて、個人的にも観客のいない、このスタジアムで選手権の試合をすることにちょっと違和感を覚えました。チームとしてやりたいことや個人として意図したプレーがなかなかできず、前半はすごく難しく上手くいきませんでした」

 ハーフタイム、黒田剛監督から「喝」を入れられたという。

「後半はやるべきことも整理できて、やりたいことを徐々に出せてきたなか、エースの二人が点を決めてくれました。そこから守備も良くなり、自分も、チームも、徐々に選手権の舞台に慣れてきたことで、次の試合につなげられたと思います」

 ほぼ全員でゴール前を固め、カウンターを狙う広島皆実に対し、隙すら与えなかった。

「後ろで全員で固めて守備をしてくるチームは仮想してやってきました。冷静に、冷静にと言ってきました。冷静にやり続けることが得点につながる話もしていました」

 特に厳しく対応したのがエースの閑田に対してだ。藤原は「10番の閑田選手が前線に残りカウンターを狙って、前半そこへ蹴らせてしまっていました。彼にボールを受けさせないようにすることに後半取り組んだことで、前へ押し込めました。前線の選手が下がる労力も減り、より攻撃に専念できました」と、修正点を語っていた。

 チームの目標は全国制覇だ。藤原は1年前の決勝、2-0から逆転負けを喫した静岡学園戦を思い起こし、埼スタでのファイナルに勝つことに視点を定める。

「あの1試合勝てなかったことがこの1年間頑張る原動力になってきました。自分がマークを外して失点してしまったシーンもありました。埼玉スタジアムの決勝の舞台に戻って優勝カップを抱げることが、お世話になった人、迷惑をかけた人への恩返しになると思っています。1年間、あの埼玉スタジアムの決勝の舞台に帰る、忘れ物を取りに帰ることだけを考えて、この1年間、取り組んできました」

 藤原はそのように頂点を見据える。そこに向けて、力強く確かな一歩を踏み出した。

 青森山田は1月3日の3回戦、岐阜県代表の帝京大可児と再び駒沢で対戦する。

注目記事:【高校選手権】「冷静に打てた」新10番の松木玖生が決めた!青森山田が広島皆実に2-0快勝

[文:塚越始]

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