W杯『世紀のぬか喜び』モドリッチも呆れ顔。“髪の毛”に触れた…最新テクノロジーが劇的ゴールをオフサイド判定
クロアチアの劇的ゴールはオフサイドの判定により幻に…。(C)FIFA
ボールの軌道は変わらず、人間の目では判断できず。VAR本来の目的から逸脱しているのではないか
[北中米W杯 ラウンド32]ポルトガル 2-1 クロアチア/2026年7月3日/トロント・スタジアム
FIFA北中米ワールドカップ(北中米W杯)決勝トーナメント1回戦(ラウンド32)、クロアチア代表はポルトガル代表との一戦、試合終了間際にヨシュコ・グヴァルディオルが劇的ゴールを決めたかと思われたが、最新鋭テクノロジーが搭載されたボールが直前にクロアチアの選手に触れていてオフサイドだったと判定し、主審が認定。幻のゴールに終わった。
試合終了の瞬間、クリスチアーノロナウドと握手をかわしたルカ・モドリッチだったが、さすがに呆れ顔だった。
先制しながらも逆転を許して迎えた90+7分、左クロスをマリオ・パシャリッチが折り返し、グヴァルディオルが押し込みゴールネットを揺らした。ポルトガルサポーターのほうが多く埋めていたスタジアムだが、この劇的ゴールに沸いた。
ところが――。
VARが発動。クロスにジャンプして競ったイゴール・マタノヴィッチの髪の毛にボールが触れたとして、そのセンサーが反応した画像も提示。ボールの軌道は変わっていないものの、主審もこの判定に従わざるを得ず、オン・フィールド・レビューを経て、「オフサイド」で得点を取り消した。
目視では判断できず、”最新鋭”テクノロジーでなければ、オンサイドだった可能性は十分あった。なお、FIFAは正式に「クロアチアのイゴール・マタノヴィッチがボールに接触していたことが証明され、審判はオフサイドを正しく判定し、得点を無効とした。ボールに内蔵されたIMUセンサーはわずかな接触でも検知する。『心拍グラフィック』として視聴者には表示され、審判員は迅速かつ正確に判定を下すことができる」と説明している。
まさに世紀のぬか喜びとなった。
この場面では、マタノヴィッチの後方にいたポルトガルの選手にもボールが当たっていたが、意図的なプレーではなくディフレクションと判定されたため、オフサイドはリセットされなかった。
もし意図を持ったプレーと判断されていれば、パシャリッチはオフサイドの対象外となり、ゴールが認められていたことになる。
本来、VARは主審をサポートするためのものであり、「明らかな判定ミス」があった場合にのみ介入することになっている。
ところが、最新テクノロジーの導入により、これまで見逃されていたようなわずかな接触まで判定対象となる時代になった。オフサイドライン際でプレーするリスクとリターンをどう捉えるか――。その判断も、トーナメントを勝ち抜くうえで重要な要素になっていきそうだ。
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