【鹿島】内田篤人が語った荒木遼太郎との共演「年を取ったせいか俺、嬉しいんだよ」
鹿島の内田篤人(左)と荒木遼太郎(右)。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
新ユニットにもなり得る。内田が起点を作り、荒木が臨機応変にプレーを選択。
[いばらきサッカーフェス] 水戸 0-1 鹿島/2020年2月1日/ケーズデンキスタジアム水戸
プレシーズンマッチ「いばらきサッカーフェスティバル」の水戸ホーリーホック対鹿島アントラーズ戦、鹿島の高卒ルーキー荒木遼太郎が鮮やかに決勝点となる先制ゴールを決めて脚光を浴びた。
その持ち味を巧みに引き出していたのが31歳の右サイドバック内田篤人だった。やや高い位置で起点を作り、相手がボールを奪いに来るところ、絶妙なタイミングでクサビのパスを放つ。荒木はピッチ中央で、サイドで、そしてゴール前で、パス、ドリブル、クロス、そしてシュート……臨機応変にプレーを選択。そうすることで、チームの攻撃の幅であり選択肢を増やしていった。
その流れから中央にできたスペースを攻略。白崎凌兵のスルーパスから荒木が左足を振り抜き、決勝点になるゴールを奪ってみせた。
内田は1月29日に18歳の誕生日を迎えたばかりの荒木のプレーぶりについて、次のように語っていた。
「上手だなと。高卒ですぐ入ってきて、いきなり練習中から、スピードとか、体の強さとか、違うものがあった。技術が高くて、今風なサッカー選手。上手な選手だと思う。相手が来ても慌てない。体は小さいけれど、ゴリゴリと行ける。ゴールもそうだった。(途中出場の松村(優太)も自分の特長を出せていた」
そのうえで、彼らのはつらつとしたプレーが、自分自身にも好影響を与えていると言った。
「若い選手が伸び伸びしているといいよね。年を取ったせいか、若い選手と練習すると俺、嬉しい。そういう選手の成長を見つつ、また、新しい選手が入ってくるとね」
また、試合中にピッチ上で二人が確認し合う光景もあった。
「『僕、(ディフェンダーに)背負われらどうしよう』と。『(ボランチの永木)亮太が空いていないか?』とは伝えたかな。体が小さくても(遠藤)ヤスのように、体が出来上がってくれば、ボールをキープできる術を身に付けられる。そうすれば、技術がさらに生きると思う」
そんな未来への期待も寄せていた。
一方、東福岡高校から今季加入した荒木は内田との”共演”について、「小さい頃から、代表戦でも鹿島戦でも見ていて、一緒にプレーしていて嬉しい気持ちと、実際にプレーして、やっぱりすごいんだなと感じる部分もありました」と振り返っていた。
内田と荒木。鹿島の新たなユニットになり得る可能性も示した。ザーゴ体制下、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)プレーオフのメルボルン・ビクトリー戦は敗れたのは確かに痛恨だったが、実戦2試合を経て、新体制・鹿島の変化と期待を感じさせる船出を切った。
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[取材・文:塚越始]