ブンデスリーガ激震!コロナ禍の握手と3密動画配信。再開に影響か?W杯日本戦に出場したカルー「活動停止処分」に
ヘルタ・ベルリンのエンブレム。(C)SAKANOWA
ヘルタ・ベルリンに所属する元コートジボワール代表FW、原口元気とは元同僚。
ドイツ・ブンデスリーガ1部のヘルタ・ベルリンに所属する元コートジボワール代表FWサロモン・カルーが、ロッカールームで選手と握手を交わし、「3密」の状態で語り合うシーン、さらにPCR検査を受ける様子などを自身のFacebookでライブ配信し、現場の意識の低さを露呈したとして、最短で来週にも再開を目指していたブンデスリーガが大きく揺れている。
サルーはクラブハウス入りから約25分間にわたって自身のアカウントでライブ配信。ロッカールームで選手と握手を交わし、3人ほどで密接した距離で語り合っている。ちなみにその内容が、選手の給与返上についてで、「高いね」と言っていることもさらなる波紋を広げている。また、チームドクターは防護服などを着用せず検査に当たっていた。
この動画がアップされた当初、サルーがリーグ再開の動きに対し疑問を抱いているからではないかと言われた。しかし本人にそういった意図はなく、「コートジボワールの様々な社会活動をしていますが、医療に問題を抱える母国の事情をとても心配しています。その環境はドイツほどには整っていないために伝えたいと思いました。ただ私はあまり深くは考えていませんでした」とコメントしている。
一方、クラブのミヒャエル・プレーツ代表は「今回のビデオはヘルタに大きな損害を与え、特にリーグ再開に向けた社会におけるプロサッカーの役割について、選手個々がコロナを真剣に受け止めていないという印象を与えてしまいました。衛生面の規則に則り、ソーシャルディスタンスを保ち、それらが厳密に守られていることを強調します」とコメント。カルーには一定期間の活動停止の処分を下した。
カルーはヘルタで、原口元気(現・ハノーファー96)とも同僚だった。また、2014年のブラジル・ワールドカップ(W杯)では日本代表戦(日本が1-2で敗れる)に出場している。
ドイツでは、最短で9日に全体練習(接触も可能なプレーの容認)、15日にも無観客でのリーグ再開を目指している。再開に向けては各州の政治家の判断が重要になるため、今回カルーが配信したビデオがあまりに悪い印象を与えることになった。ヘルタは彼個人の問題だと強調しているものの、選手・スタッフの意識が低いと思われても仕方がない内容を広めてしまった。
ドイツでは、大規模な集会やイベントは8月までの中止を決めている。そのためブンデスリーガは無観客(ゴーストゲーム)で、現在都市封鎖の解除を段階的に進めるなか、6日にもドイツのアンゲラ・メルケル首相がプロサッカーの開催に関して、何かしらの判断を下す予定だ。多くの人が再開を望んでいる一方、警察はサポーターの動きが全く読めず対応できないと反対し、一部の政治家などからは「そもそも選手同士の接触は感染リスクが高いのではないか」という指摘も出るなど、開催に向けてまだクリアすべき課題がいくつも残っている。
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[文:サカノワ編集グループ]