久保建英が58分で交代せざるを得なかった事情。ビジャレアル、試合中に負傷者が相次ぎ…
久保建英。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
負傷者続出で、早い段階で「交代数」の限度に。
[スペイン1部] ベティス 1-1 ビジャレアル /2020年12月13日(日本時間14日0:15)/エスタディオ・ベニート・ビジャマリン
スペイン1部リーグ、ビジャレアルの久保建英がレアル・ベティス戦で、8節・カディスCF戦(△0-0)以来6試合ぶり今季二度目の国内リーグでの先発出場を果たした。4-4-2の右MFで起用された19歳の日本代表レフティは少しずつボールに触れる機会が増え始めたが……58分、ナイジェリア代表サムエル・チュクウェゼとの交代を告げられた。
ビジャレアルは58分で、すべての交代枠「5」を使い切った。そうせざるを得なかい状況だったからだ。
アウェーチームはモイ・ゴメス、パコ・アルカセル、カルロス・バッカが負傷により欠場。そうしたなかで、ケガ明けの選手も数多くメンバー入りしていた。
案の定、40分、ビセンテ・イボーラが左脚に違和感を覚えてフランシス・コクランと交代に。さらに1分後、相手選手との接触により負傷を抱えていたペルビス・エストゥピニャンもアルフォンソ・ペドラサと代わる。
5人交代制では、ハーフタイムとそれ以外に3回と交代数が決められている。そのため、すでにこの時点で、ビジャレアルはハーフタイムと後半1回しか交代できない状況になった。
ウナイ・エメリ監督はそれを把握し、ハーフタイム、フェルナンド・ニーニョからジェレミ・ピノにスイッチしたのだろう。
そして、またもアクシデントがビジャレアルに襲い掛かる。
交代出場していたフランシス・コクランが足を痛め、交代を余儀なくされたのだ。コクランもまた負傷明けで、最近は様子を見ながら起用されていたが、結果的に今回は緊急出場による負担が大きかったのか……。
そのためエメリ監督は、守備的ボランチを欠くことになり、そのバランスも考慮。58分、コクランからハウメ・コスタ、そして久保からサムエル・チュクウェゼへと、残された最後の交代機会に、2枚のカードを切る決断をぜさるをえなかったのだ。
そうしたアクシデントを考えると、ビジャレアルとしては、ベティスに攻め込まれながらもアウェーで勝点1を奪えたことは妥当だったと言えるかもしれない。
もちろん久保としては、そういう緊急時こそ、信頼されてピッチに残れる存在になりたいところ。とはいえ仕方ない面もあり、不完全燃焼に終わってしまったに違いない。ただ、ヒールによる打開などいくつかの技で魅せていただけに、再びラ・リーガでも先発のチャンスは訪れるはずだ。
ビジャレアルはスペイン1部リーグでは4試合連続の引き分けで、5勝7分1敗(16得点・12失点)の勝点22で暫定4位、ベティスは5勝1分7敗(15得点・24失点)の勝点16で暫定7位。久保はスペイン1部13試合(そのうち先発2試合)・0得点。
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[文:サカノワ編集グループ]