福島の不服一部認定、Jリーグ罰則「0-3没収試合」→「2-0勝利」に戻る。CAS提訴中の浦和にも影響か!?
写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
JFA不服申立委員会が発表。しかし当該選手の「『エントリー資格』はない」というJリーグの判断は支持、罰金継続。
日本サッカー協会(JFA)不服申立委員会は10月14日、J3リーグ福島ユナイテッドからの不服申し立てについて一部を認め、Jリーグ規律委員会の「0-3没収試合」とした判断を取り消し、当初の試合結果である福島の「2-0勝利」に戻す判断を下した。しかしJリーグの主張する「エントリー資格のない選手を出場させた」という判断は認め、罰金(150万円)はそのまま科されることになった。
JFAは公式サイトで内容を発表。まず福島はそもそもリーグ戦に出場するための「エントリー資格=選手出場資格」は認められており、今回の「エントリー不備」は新型コロナウイルス対策のための申請不備というクラブの失念であり、別問題ではないか――という主張に対して、同委員会はその主張を認めず。クラブの「失当」だと、Jリーグの判断を支持している。
「不服申立人(福島)も認めているとおり、本件選手は、同条第3項に定める『指定公式検査』を受けていなかった者であるから、本件試合において本懲罰基準に規定する出場資格の無い選手であったことは明らかである。よって、不服申立人の上記主張は理由がなく、失当である」
一方、福島は当該選手の試合出場について、試合直前、協議したマッチコミッショナーから「許可を得ていた」として、この決定に猛反論していた。
これに対し同委員会は「マッチコミッショナーによる積極的な提言と承認があったものと認められ、これが出場資格の無い本件選手を本件試合に出場させるに至った大きな原因となっていることは否めない」と、マッチコミッショナーの“関与”に言及。
説明を平たくすると、選手は自主的な抗原検査を受けて陰性であるとも証明されていた。そのうえで、この状況で最も重い「3-0負け扱い」とするのは「酷である」として、懲罰規定の情状酌量に該当すると判断したという。
一方、相手チームのヴァンラーレ八戸FCは、逆にJリーグの没収試合の決定を支持していたそうだ。とはいえ「決定の取り消し」という判断が妥当だと決め、Jリーグの「0-3没収試合」の判断が覆り、当初の「2-0福島勝利」が認められた。
ただし罰金に関しては継続され、福島に150万円が科された。
そして同様の選手エントリー問題で処分を受けた浦和レッズだが、対象試合が「勝点3のはく奪」ではなかったため不服申立を却下され、その後、CAS(スポーツ仲裁裁判所)に提訴している。今回の決定が、どのように影響するのか、Jリーグに新たな動きがあるのか注目される。
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[文:サカノワ編集グループ]