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【浦和】槙野智章が涙で語った本音「他のクラブで同じような情熱を持ち、違うユニフォームを着てプレーする想像ができていなくて、毎日どうしたらいいのだろうと思っている状況です。自分でもどうしていいか分からない」

時折声を詰まらせながら現在の心境を語った浦和の槙野智章。(C)URAWA REDS

キャッチーな話題も提供するなかで――。

 J1リーグ浦和レッズのDF槙野智章が11月17日、今季限りでの退団決定を受けて、オンラインによる取材に応じた。ロシア・ワールドカップ(W杯)の日本代表にも選ばれた34歳のディフェンダーは、チームに関して話す際、涙を浮かべて、現在の心境と今後について率直な思いを語った。

 今回も槙野らしく、いくつかキャッチーな話題を提供していた。

「将来は見てもらえる監督として戻ってきたい」

「チームメイトに退団が決まったと報告すると『冗談だろ。どうせ動画の撮影だろと言われた』」

「退団を告げられた直後の鹿島戦、まさか興梠選手と2トップを組むとは」

 ただ、彼が今回語ったなかで最も伝えたかったこと、または最も印象的だったのは、この言葉だった。11日5日にクラブから退団を告げられたあと、これまでの心境を語った時だった。

「まだ整理がついていません」「毎日泣いています」と報告した槙野が、声を詰まらせて時間を掛けて言葉を紡いだ。

「他のクラブで、同じような情熱を持って、違うユニフォームを着てプレーする想像ができていなくて、毎日、どうしたらいいのだろうと思っている状況です。自分でもどうしていいか分からないです」

 槙野はそのように本音を振り絞った。

「まずはおそらく今の現実を受け止めなければ前へ進めないと思っています。時間を掛けてでも状況をしっかり整理し、今後の自分に何が必要なのか、自分が何を求めているのかを考えて、次のステージに向かっていきたいと思います」

 そして「プレスリリースでは浦和のファンとサポーターに、戻ってきた時にはブーイングをしてくださいとコメントされていた。しかし槙野選手が相手チームで埼スタに乗り込みピッチに立つシーンが想像できないが?」と質問されると、浦和の背番号5は改めて声を詰まらせて語った。

「本音を言えば、試合したくないです。埼スタで浦和相手に違うユニフォームを着てプレーする姿はまだ自分でも想像できないです。それぐらい難しい状況です」

 槙野の取材は、まさかの涙時々笑顔の約1時間に。その発信の仕方により齟齬も生じてきた槙野だが、11月5日以降、まだ気持ちの整理が全くできずにいる。

 それが本心だと伝わってきた。

 ただピッチに立てば、気持ちが切り替わっているとも強調していた。リーグ3試合と天皇杯の準決勝そして決勝へ。背番号「5」が全身全霊をかけて、浦和でのラスト5試合に臨む。

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[取材・文:塚越始]

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