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【浦和】宇賀神友弥「槙野のように泣いていない」、唯一涙したのは…。今季限りの退団を受けて取材に応じる

浦和の宇賀神友弥。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

横浜F・マリノス戦後、「最後に1周している時、泣きそうになりましたが、その涙は来週まで取っておこうと思いました」。

 J1リーグ浦和レッズを今季限りで退団することが決まった元日本代表DF宇賀神友弥が11月21日、オンラインによる取材に応じて、浦和での特別指定時代を含めた13シーズンの思い出とともに今後について語った。

 11月中旬、クラブから「来季優勝するためのチームを作っていくうえ、戦力として考えられない」と、今季限りでの契約満了を告げられた。

 宇賀神はその時の心境について、次のように語った。

「自分自身、浦和レッズで引退する夢を持っていました。自分が浦和レッズ一筋で引退することで、下部組織の選手たちに一つの目標や夢を与えられるのではないかと信じていました。

 ただ、その夢は叶えられないんだと率直に思いました。

 一方、僕自身、浦和レッズに残って試合に出られる機会が少なくなっていくなか、それでもチームの勝利のために貢献していくのか、あるいは他のチームで出場機会を得て、サッカー選手としての活躍の場を求めるのか、この3か月ほど悩んでいました。

 その(契約)満了の話を聞いた時、浦和レッズに残るという選択肢が一つなくなりました。もちろん悲しい気持ちはありました。一方、少しスッキリした自分もいました。

 今まで下部組織から18年間、浦和レッズしか見てこなかったので、また違う視点で浦和レッズの良いところと悪いところを見て帰ってきたいという思いになりました。

 自分自身また新たなピッチに立てるという、ワクワクした気持ちでもあります」

 浦和の背番号3は、普段の戦いでは「常に不安がつきまとっていました。ただ、そこで逆境を力に変えてきました」と言う。

 ただ、今回はこの現実をしっかり受け止め、思考を未来へ向けている。

「槙野(智章)と違って毎日泣いているわけではありません(笑)。現在は次どのような道になるのか、どういう自分になるのか、浦和レッズではない宇賀神はどのようになるのか。これから先、どんな未来が待っているのか、前向きで楽しみな気持ちが大きいです」

 それでもクラブから通告を受けたあと、一度だけ涙を流したという。

「 長くお世話になってきた(土田)尚史さん(スポーツダイレクター)と話をした時、いろいろ込み上げてくるものがあり、そこで一度泣いただけです。あとは昨日の試合(横浜F・マリノス戦)、最後に1周している時、泣きそうになりましたが、その涙は来週まで取っておこうと思いました」

 浦和の2021シーズンのリーグ最終戦・清水エスパルス戦は11月27日14時から、埼玉スタジアムで行われる。試合後にはシーズン最終戦のセレモニーが行われ、立花洋一社長、槙野、宇賀神のあいさつを予定。そのあと阿部勇樹の引退セレモニーが実施される。

 33歳のサイドバックが、どのような言葉をサポーターに伝えるのか。楽しみにしたい。

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[取材・文:塚越始]

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