「毎朝ビクビクしながら」名波監督が漏らしたコロナの打撃と余波。10人以上感染したチーム、勝点3獲得1例のみ。松本山雅は八戸に0-1で敗れる
名波浩監督(2019年撮影)。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
シュート16本対5本と攻めながら、「自爆感のあるゲーム」に…。
[J3 19節] 松本 0-1 八戸/2022年7月31日18:03/サンプロアルウィン
J3リーグ19節、松本山雅はヴァンラーレ八戸に0-1で敗れた。
ホームチームはシュート16本対5本と攻めたものの、54分に赤松秀哉に決められた1点を返すことができなかった。名波浩監督は試合後の記者会見で、判断を含めスピードが上がらず、どこか相手のリズムに合わせてしまったと悔やんだ。
「テンポが上がらなかった。“止めて見直して(パスを)出す、止めて見直して(パスを)出す”の連続で、そこでワンタッチからのトライアングル、クサビが入ってくると、相手が自分たちのお尻を追いかけるようなシーンがもう少し生まれたと思います。それがありませんでした。シンキングスピードも含めてのスピード感のところ。
ちょっと勝手な判断も多かったのかな、と。もう少し慌てずボールを動かしたり、味方が上がってくるのを待ったりするシーンが増えれば、セカンドボールも拾えたと思います。これだけ自爆感のあるゲームにはならなかったのではないかと思います」
このあといわきFC、鹿児島ユナイテッド、ギラヴァンツ北九州との夏のアウェー3連戦に突入する。指揮官は「暑さを含めて勝って、首位になる。そうモチベーションを上げて乗り込みたいです。上へ上げていくしかありません」と気持ちを引き締め、J2昇格への一つの関門と捉えていた。
一方、新型コロナウイルスの陽性者がトップチームから選手10人など複数名出た。それでもJリーグの定めるガイドラインに従い、この試合に臨んだ。名波監督は「毎朝ビクビクしながら」検査結果を聞いていたと本音を漏らし、次第に増えていく状況に動揺する「ものすごくストレスの溜まる1週間でした」と語る。
「活動停止の期間も誰とも接触することなく、選手も相当ストレスを感じていたと思います。昨日のゲームでも10人以上我々のように感染者が出ているところは軒並み結果が出ていません。水戸以外、僕が知る限りでは勝点3をとったところが一つもない。そういったモチベーションも、このゲームに対してはありました」
そのように、現在のコロナ禍の直接的なダメージであり、今後にもたらす余波についても危惧していた。
Jリーグではシーズン前、リーグを進めていく――という方針を定め、13人以上メンバー編成できる場合は試合開催するという方針で申し合わせた。しかし、現在のように、軽症者あるいは無症状者が検査を受けることで発覚しどんどん増えていく、という状況は想定していなかった。
複数の報道では、来週には感染者数のピークを迎えると言われる。現在の対策のままであれば、監督・選手をはじめ神経を使う期間はもう少し続きそうだ。
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