三木谷会長は静観。戦力流出続くヴィッセル神戸、直近ツイートはウクライナ関連の…
楽天の三木谷浩史会長 (Photo by Chris McGrath/Getty Images for Rakuten)
槙野智章が引退、ダブル“小林ユウキ”移籍…。トゥーレル完全移籍への移行以外、目立った補強はこれまでなし。
近年は国内外の大胆な戦力補強で話題を集めてきたヴィッセル神戸だが、このオフは世間を驚かすような発表がまだない。むしろ、ギリギリでJ1リーグ残留を果たせたなか、先日の槙野智章の引退、残留に貢献したダブル“KOBAYASHI Yuki”の移籍など、貴重な戦力の流出が続いている。
神戸の目立った補強といえば、京都サンガF.C.のDF本多勇喜獲得ぐらいで、主力級とは言い難い。あとは昨季CRフラメンゴから期限付きで獲得した23歳のCBマテウス・トゥーレルを完全移籍に移行するということだ。もちろん、これが実現すれば大きな好材料だが、他は同じくフラメンゴのブラジル代表歴のあるGKウーゴ・ソウザの獲得を目指したものの頓挫したと現地で報じられている。
一方、契約満了など退団したのは、小林友希(→セルティックFC)、小林祐希(→北海道コンサドーレ札幌)、郷家友太(→ベガルタ仙台)、井上潮音(→横浜FC)、飯倉大樹(退団)、藤本憲明(退団)、槙野智章(引退)。高年俸の選手が減らされ、さらには小林友、郷家とヴィッセルが手塩にかけて大切に育ててきた選手も旅立っていった。
楽天グループ本体の赤字決算が続く見通しで、携帯事業の扱いに決断を迫られている神戸の三木谷浩史オーナーだが、Jリーグの昨季閉幕時にSNSで「18年間ありがとう。ヴィッセル愛している…」と発信して騒がせた。しかしワールドカップ期間を挟み、その後は静観している。ただ、カタール・ワールドカップ(W杯)でサッカー熱が高まるなか、神戸はその熱波に乗れずにいる。
直近ではツイッター(@hmikitani)にて、同グループがウクライナへの人道支援で発電機5000台を寄贈したことを報告している。22日には「I sincerely hope that peace will be restored in Ukraine as soon as possible. I am honored to continue contributing to support your valiant efforts. ウクライナが一日でも早く再び平和を取り戻せることを願っています」と発信。23日にはウクライナからの反応に、「We are sincerely hoping peace and spring will come to Ukraine and people in Ukraine soon. We admire you. (ウクライナとウクライナの皆様に平和と春が訪れることを心から願っています。私たちはあなたを尊敬しています)」と応えていた。
今季で神戸とアンドレス・イニエスタが契約満了を迎える。そのなかで神戸が一つのサイクルを終えようとしているようではある。大迫勇也、山口蛍、酒井高徳……日本代表クラスのタレントが健在であるなか、神戸はどこへ向かい、何を目指すのか。あるいは、ここから“逆襲”もあるのか。ただ三木谷会長から何かしらの方向性が示されることが、求められているのかもしれない。
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