【浦和】安部裕葵が復活のゴール「本当に久しぶり。自信になった」。中島翔哉との「やりやすい」関係性にも言及

ヘグモ新体制初の実戦での4-3-3、注目ポジションの「左ウイング」で約30分間プレー。

　試合後の第一声に、万感の思いが込められていた。

「ケガをしなくてよかったです」

　浦和レッズのキャンプ地、沖縄県金武町で1月25日に行われたベガルタ仙台とのト
レーニングマッチ(45分×3本、浦和が6-0勝利)。2本目(〇4-0）に左ウイングで出場した安部裕葵は、30分ほどで自らベンチに下がった理由について「まだ無理なので」と語り、さらに言葉を紡いだ。

「それほど長くは出られないので。最初から、今日は15分から30分くらいで、と
いう話でした。そのなかで気が付いたら、30分が経っていました」

　時間を忘れるほど楽しかった。昨年7月に浦和に加入して以来、初めてとなる対
外試合への出場。前所属先のバルセロナBでもケガと手術を繰り返し、2021年8月
を最後に対外試合から遠ざかったまま、契約満了に伴って昨年6月末に退団した。

　広島・瀬戸内高から2017シーズンに鹿島アントラーズへ加入し、3年目には「10番」を背負うほど期待をかけられた安部だが、スペインでの戦いから強度のかかる実戦に臨んだのは実に2年半ぶりだった。冒頭の「ケガをしなくて……」を思わず口にした一方で、もちろん手応えも感じていた。

「(全体練習と)違う点とすればメンタル的なところと、あとは30分連続して動くところ。1時間とか1時間半の練習だと、やはり途中、途中で区切りが入ります。30分続けて動けたのは本当に久しぶりで、多少の自信にはなりました」

　その30分でしっかりと魅せた。仙台守備陣の乱れを突き、コースがずれたパス
を奪ってゴールを決めた。後方からのロングフィードを右足アウトサイドで軽や
かにワンタッチでコントロールし、ボールを前方へ流しながらマーカーの選手を置き去りにした場面もあった。

「僕にとってはいつも通りですが、楽しんでもらえたなら良かったです」

　クールに振り返った安部は、短い時間ながら共演したインサイドハーフの中島
翔哉にも言及した。中島が直接フリーキックを決めた場面には、安部は笑顔で抱きついていた。

「翔哉くんとは『同じチームでやりたいね』とよく話していたので。特長も多少
分かっているし、やはりやりやすい。もっと長くプレーして、もっと一緒にプレ
ーしたいですね」

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　ノルウェー出身のペア＝マティアス・ヘグモ新監督が掲げる［4－3－3］シス
テムのもと、2024シーズンの浦和は攻撃的なスタイルを標榜している。新布陣
の注目ポジションの一つである左ウイングで復活への狼煙をあげた安部は、28日に25歳の誕生日を迎える。

取材・文・写真/藤江直人