【浦和】3得点で計4回映し出された『VAR ゴールの確認中』あの心臓に悪い時間、GK西川周作は何を考えているのか?
西川周作(右)と早川隼平。写真:松村唯愛/(C)Yua MATSUMURA
「僕はとにかく次のプレーに集中するだけだと思っていました」
[J1 17節] 浦和 3-2 FC東京/2025年5月17日16:03/埼玉スタジアム
J1リーグ17節、浦和レッズがFC東京との一戦、先制されながらも石原広教の同点ゴールと途中出場した松本泰志の2ゴールで3-2の逆転勝利を収めた。浦和は3試合ぶりの勝点3獲得で4位に再浮上した。FC東京は2連勝でストップ。
この試合、浦和のゴールシーンでは、3ゴール全て、計4回『VAR ゴールの確認中』により中断、いずれも得点が認められるというプロセスがあった。
石原の得点では「(マテウス・サヴィオの)オフサイドの可能性」、松本の同点弾では「オフサイドの可能性」、さらに「ハンドの可能性」、そして松本の逆転ゴールでも「ハンドの可能性」により。スタジアムの電光掲示板に『VAR ゴールの確認中』と映し出された。
その度にスタジアムはざわつき、映像で確認するとゴールと認められそうだが、試合の流れ的にファウルでゴールが取り消されるのではないか……。その中断時間が長引けば長引くほど、不安は募っていった。
結果的に、いずれもVARオンリーレヴュー(VARオペレーションルームでファクトチェックし判定を確定)で、ゴールは認められた。主審が映像でチェックするOFR(オン・フィールド・レビュー)に持ち込まれなかったことも、浦和にとってはプラスに働いた(OFRの場合、VARは主審の判定が『明らかに違う』という考えのもと、主審に映像確認を推奨するため、判定が覆る可能性が大幅に高まる)。
では果たして、あの心臓に悪い時間帯、最後尾にいるGK西川周作はどんなことを考えているのか? ゴール裏のファンやサポーターとともに、いやーゴールでしょ……など思ったり願ったりしているのだろうか!?
負傷明けリーグ3試合ぶりの復帰戦を勝利で飾った西川は試合後にあの中断時間、一体何を考えているのかと聞くと、次のように語った。
「僕はとにかく次のプレーに集中するだけだと思っていました。後ろで体を動かして、冷やさないようにして、次に訪れるピンチに対しての準備をしていました」
ゴールキーパーは、メンタルがプレーにも大きな影響を与えポジションだと言われる。先日公式戦800試合出場を達成した38歳の守護神は、そのように再開直後の“次のプレー”に備えていたということだ。
「同点になった時のスタジアムの雰囲気が、『これは逆転できる』という雰囲気でした。久々に面白い試合になりました。サポーターにとっても、非常に楽しい試合になったのではないかなと思います」
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ファン・サポーターと一体となって掴んだ勝利。西川は大きな笑顔を浮かべて喜んだ。