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【ACL浦和】徹底されたオスカル封じ。GK西川「一番危険だった」

上海上港のオスカル。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

フッキ出場停止のなか、最大のキーマンである元ブラジル代表MFを封じることを徹底。

[ACL 準々決勝-2nd] 上海上港 1-1 浦和/2019年9月17日/埼玉スタジアム2〇〇2
※2試合トータル3-3、浦和がアウェーゴールルールでベスト4進出

 アジアチャンピオンズリーグ( ACL )準々決勝・浦和レッズがアウェーゴールルールにより上海上港(中国1部リーグ)に”逃げ切って”みせたホームでの第2戦(セカンドレグ)、徹底されたのが「オスカル封じ」だった。

 中国で3シーズン目を迎える元チェルシーFCとブラジル代表の攻撃の中核を担ったタレントは、4-3-3の左インサイドハーフで先発。中盤でビルドアップに絡みながら前線に顔を出す役割を担っていた。元ブラジル代表FWフッキが出場停止のなか、攻撃の”全権”が託されていると言える存在だった。

 GK西川周作は振り返る。

「オスカル選手には、しっかりマークをしてプレーをさせないという狙いはありました。途中から彼もポジションを変えて、嫌な位置に行くようになったので、そこでベンチに行って大槻監督に確認して、誰がマークをつくのかはハッキリさせてほしいとも伝えました」

 最初はエヴェルトンがオスカルにマンマーク気味だったが、それを避けて下がった位置やサイドでプレーをするようになる。途中からはシステムも変えてきた。

 ただ、浦和はチームとして、オスカルに自由を与えない――という狙いを最後まで貫いた。セットプレーでは一発の怖さがあり紙一重ではあったが、オスカル―アルナウトヴィッチのホットラインもほぼ機能させなかった。

「一番危険なのはオスカル選手でした。そこにボールが渡らなければ大丈夫、というある意味、割り切った戦いもできていました」

 浦和はそのように上海上港の「8番」に、常に神経を使った。アジアサッカー連盟(AFC)がまとめたヒートマップを見ると、オスカルはほとんどゴール前やバイタルエリアで仕事をできなかったことが分かる。

←上海上港の攻撃方向
オスカルの浦和戦のヒートマップ。ほとんど浦和の危険な位置でプレーさせなかった。 ※AFCまとめ

 上海上港に、浦和が嫌がるような位置でプレーをさせなかったという印象が強く残った一戦でもあった。それはまさにオスカルに”危険”な位置でプレーさせなかったことを意味していたのだろう。

「(試合終盤は)どのように戦うのか、より明確にして、最後はみんなで体を張って、ACLらしい素晴らしい戦いができたと思います」

 GK西川は会心の笑みを浮かべた。準決勝は広州恒大との対戦に決まった。中国リーグ現在首位。さらなる強敵に勝たなければならない。

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[文:サカノワ編集グループ]

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