【なでしこ】東京五輪へ再出発のカナダ戦。菅澤、岩渕、田中…求められるのはゴールだ
カナダ戦に向けて練習する菅澤優衣香。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
フランスW杯から一味違ったプレーを見せられるか?
[国際親善試合] 日本 – カナダ/2019年10月6日14:30/IAIスタジアム日本平
来夏の東京オリンピックに向けて、なでしこジャパン(日本女子代表)が再スタートを切る。
2011年のドイツ大会以来二度目の優勝を目指したフランス女子ワールドカップ(女子W杯)では、オランダに1-2で敗れてベスト16に終わった。あれから3か月――それぞれに決意を持ってカナダとの親善試合(フレンドリーマッチ)に臨む。
9月30日の月曜日、舞台となる静岡に25人が招集された。高倉麻子監督が最も懸念していたのは、「ワールドカップで負けたことによって自分たちがやってきたことが本当に正しかったのかと下を向いてしまうこと」だったが、それは杞憂に終わりそうだ。
約1週間の合宿では、それぞれの立場で敗退を受け止め、ポジティブに前進しようとする選手たちがピッチでその想いを表現していた。地元の高校や大学の男子チームと練習試合を行い、球際、間合い、スピード感……限られた時間の中でしっかりギアを上げて対応してみせていた。
その成果が10月7日、カナダとの国際親善試合で試される。
FIFAランキングは、日本が7位、カナダは5位。カナダは若手とベテランが上手く融合した成長著しいチーム。先の女子W杯では日本と同じく決勝トーナメント1回戦で姿を消している。来年のオリンピック出場権を懸けた北中米・カリブ海地区予選を控えており、日本と同様に重要な強化試合と位置付けている。
チームを牽引するのは10代から活躍するクリスティーヌ・シンクレア。36歳となった今でも、変わらずチームのキーマンである。フィジカル面で日本は劣勢にあるが、いかにプレーのクオリティで上回るかがポイントになる。
なでしこジャパンに求められるのは何よりゴールだ。女子W杯でできなかった、流れを掴み、その中から効果的にゴールを決めることにこだわりたい。ストライカーである菅澤優衣香(浦和レッズレディース)、岩渕真奈(INAC神戸レオネッサ)、女子W杯の落選から復帰した田中美南(日テレ・ベレーザ)が返り咲いたFW陣は、静岡のファンの前で”3か月前”までとは一味違ったプレーを表現できるかが注目点となる。
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[取材・文:早草紀子]
text by Noriko HAYAKUSA