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マジョルカ監督が嘆く「久保のショットはハンドだ!VARは進化しているのに…」

写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

主審によってはPKだった? 指揮官は「私たちの幸運は少なく、他は多く得ている」と不満気。

[スペイン1部 14節] レバンテ 2–1 マジョルカ/2019年11月22日/エスタディオ・シウダ・デ・バレンシア

 スペイン1部リーグ(ラ・リーガ)、RCDマジョルカはレバンテUDに1-2で敗れ、今シーズン開幕から続くアウェーでの連敗が「6」と伸びた。マジョルカは4勝2分8敗(13得点・21失点)で暫定16位のまま。久保建英は3試合連続の先発で、一時同点に追いつくゴールの起点となるキーパスを放った。

 この試合の終盤、マジョルカが怒涛の反撃を見せ、久保がペナルティエリア内で放ったボレーが相手の手に当たってコースが変わり、ゴールを逃したシーンがあった。しかし、主審はDFの不可抗力(・意図的ではない ・体を不自然に大きく見せていない ・肩より高く上がっていない)と判断してハンドリングのファウルを取らず、プレーを続行させた。

 得点にかかわるシーンであり、主審はVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)と交信をしており、そのうえで「ノーファウル」と判断している。

 しかし、スローで見ると、受け取り方によっては、DFがボールの進行方向に手を”故意(不自然)”に出しているようにも見えるが……。

 それだけに当事者としては、悔しくて仕方ない。『マルカ』によると、マジョルカのビセンテ・モレノ監督は試合後の公式記者会見で、「タケ(久保)のショットはハンドだったのでは」と疑問を投げ掛けた。

「VARは進化を遂げています。それでも私たちに幸運は少なく、他はそれを多く得ています。VARはより多くの正義をもたらしました。しかし特定のアクションには、いまだに”基準”があります」

 そのように指揮官は、VARが採用されても、主審の主観がかかわってくるハンドなどの反則については、今なお「有利」「不利」があるのではないかと疑問を投げ掛けている。

「多くのことを語るつもりはありません。そのことについて、主審とも話をしました。多くのファウルが私たちを笑っていますが、相手が有益だったことに対し何か言おうとは思いません。2点を奪われたのは事実です」

 上位やホームチームに判定が優位に働く傾向がある――。今回、その両方が該当するケースだったのではないかという不満。アウェー6連敗を喫しただけに、指揮官も少し指摘しておきたかったようだ。

 久保はスペイン1部リーグ今季11試合・1得点・2アシスト。前節のホームでのビジャ・レアル戦(〇3-1)に続く2試合連続ゴールはならなかった。それでもボールを受ける機会は試合をこなすごとに増え、攻撃の中心として信頼を得てきていることがうかがえた。

 結果フル出場を果たし、そのように試合終盤にも決定機を作り出してみせた(ラストプレーのアブドン・プラッツのクロスバー直撃のショットもお膳立てした)。

 マジョルカは次節の11月30日、ホームでレアル・ベティスと対戦する。ベティスはこれまで3勝4分6敗(15得点・23失点)の17位。マジョルカにとっては、1部リーグ残留をかけた序盤戦の大切な”6ポイントマッチ”になる。久保にはホーム2試合連続ゴールの期待が懸かる。

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[文:サカノワ編集グループ]

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