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【浦和】杉岡獲得失敗の背景。積年の課題に「新陳代謝の効率の悪さ」

耐える1年。しかし現実は厳しく、志が低いと思われている。

 そして「複数年契約」の選手たちはいい意味では、来シーズンに向けて早い段階から集中できる。が、安泰となって、チーム内の競争がなかなか活発化していかずにいるという現状もまたある。

 新スタイル確立へ1年は見守るべき、であるかもしれない。しかし一方、地面を耕すところから始めて、種を蒔き、芽を出したミシャスタイルの否定から入っているのも気になるところだ(決してそうではない、と言われると、逆に新スタイルというのが分からなくなる)。すべてが相変わらず極端すぎる。

 いずれにせよ、主力を担ってきた選手との上手な別れ方。それも強化部新体制の重要なテーマになる。むしろ、それができなければ、新たなうねりも生まれない。

写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

 まず1年は見守ってほしいという言葉の表裏。2019年アジア王者へあと一歩まで迫った浦和だが、一転して、新シーズンは再びアジアチャンピオンズリーグ( ACL )出場権獲得を掲げるが、現実的にはリーグ16位……15位でもJ1に残留できればいい。そんな雰囲気もどこか漂う。

 2冠を掲げていた1年前からの大幅な下方修正である。ただ、周囲の反応は厳しい。レンタル先の大分トリニータで日本代表にも選ばれたオナイウ阿道は、浦和復帰の道を選ばず、王者・横浜F・マリノスのオファーに応えた。そして杉岡ら東京五輪代表候補たちも浦和からの申し出を断っている。志の低いところ、夢や冒険心の不足するところでプレーしたいとは思ってくれない。

 そうしたなかでの期待は――。この年末年始、高校選手権に臨む、来季加入の内定している青森山田高校の武田英寿だ。高校世代屈指のレフティはすでに昨年の段階から、突き抜けた存在だった。

「世代交代」の話と矛盾するのではないか? と指摘されそうだ。しかし武田は、そこそこレベル、ではなく、J1を突き抜けていけるぐらいのポテンシャルがあると感じる(無論、スタイルがなければ輝けないが……)。そういった未来指向のタレントこそ重宝したい。

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[文:塚越始]

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