元日本代表FW川又堅碁が千葉で「テスト生」から復活。「ゴールで復活した姿を届けたい」
千葉の川又堅碁。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
琉球戦は2トップと左MFでチームのために走って勝利に貢献。
[J2 1節] 千葉1-0琉球/2020年2月23日/フクダ電子アリーナ
2020シーズンのJ2リーグ開幕戦、ジェフユナイテッド市原・千葉がFC琉球に1-0の勝利を収め勝点3を獲得した。
4-4-2布陣を採用した千葉の2トップの一角には、ジュビロ磐田を退団したあと”テスト生”から契約を勝ち取った川又堅碁が務めた。
開始39秒、電光石火から決まった左MF堀米勇輝のクロスからの米倉恒貴のヘディング弾。この場面、川又はゴール前で潰れ役となって米倉のスペースを作り出していた。
「自分も狙っていたんですけれど、とにかく点が取れて良かったです」
川又はチームメイトのゴールと勝利を喜んだ。
川又自身も前半アディショナルタイムにペナルティエリア前でシュート体勢に入ったものの、足を滑らせてしまった。60分には、敵陣中央から田口泰士からのスルーパスを届きそうだったが……一歩手前で阻まれてしまった。
「決められるチャンスはありましたし、ゴールを決めたいと思っています。ただ無失点に抑えられましたし、チームが勝てればいいです」
川又は笑った。
60分には負傷した新井一輝に代わり増嶋竜也が投入され、布陣が5-4-1に変更される。千葉の背番号44は2列目の左サイドに入り奮闘。タッチラインの上下動を繰り返し、「死にそうでした。全員が声を出し合って、集中できたことがゼロにつながったと思います。今日に限ってはハートを熱く、戦う気持ちを出せたと思います」と、79分まで勝利のために走り続けた。
結果的にシュート数はゼロに終わった。ただ前線からのプレスで相手のパスコースを限定し、プレスバックも怠らず守備面での貢献度は高かった。
一方、30歳の元日本代表FWは「ボールを取ったあとにどれだけつないで、攻撃に持っていくかが課題。守備をもう少し上手くやりながら、攻撃につなげること、自分を含めて修正したいですね」と課題を挙げた。
千葉の沖縄キャンプ初日から練習生として参加し、ユン・ジョンファン監督にその献身性の高さと勝利を追求する姿勢が買われて正式に契約を勝ち取った。磐田での昨季はケガに泣き、リーグ8試合・1得点に終わった。ただこの日本代表に選ばれたストライカーがさらにコンディションを上げ、トップフォームを取り戻せば、千葉の上位進出とJ1への道も見えてくる。
川又は気持ちを引き締める。
「この日のようにハードワークをしたことで感謝を伝えることもできますが、ゴールという形で、お世話になった人や色々な人に復活した姿を届けたいです」
チームの勝利に徹する闘志溢れるファイターだ。2020シーズン開幕戦、川又が千葉で蘇り、復活への第一歩を踏み出した。
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[取材・文:石田達也]