【Jリーグ】新型コロナ検査などクラブハウスの医療面での活用を官房長官に進言
鹿島のクラブハウスで練習をする内田篤人。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
ドルトムントやマンチェスター・Cは、スタジアムを開放。
Jリーグは4月21日に理事会を行い、新型コロナウイルスの感染拡大による各クラブへの経営面の影響について、どのような相談などが寄せられているかが報告された。村井満チェアマンは「個々のクラブの今後の経営の見通し、どのようなことで困り、どのような要望があったのかヒアリングし、経営視点での目線合わせに時間を割きました」と報告した。
また村井チェアマンが20日に菅義偉官房長官と会談して、現在の新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、Jリーグとして何か医療面など具体的に協力できないだろうかと助言を求めた。そのなかで例えば、全国にある各クラブのクラブハウスの活用など可能かもしれない、と村井チェアマンが進言したそうだ。
村井チェアマンは次のように説明した。
「Jリーグには56のクラブがあり、それぞれクラブハウスを持っています。そういったアセット(資産、資源、財産)があることを伝え、『もしも国や行政から要請がある場合、今後検討していこうと思うのですが、そういったニーズはあるのでしょうか』と聞きました。その席では、ニーズは確かにあると言われ、今日の理事会で諮り、協力していこうという話をしました。今後はこれから個別にクラブで話をしていくことになると思います」
基本的にはこれから、各クラブと都道府県や市町村の行政と調整をしていくことになる。
「地域によって、ニーズがあるところも、ないところもあると思います。また、クラブハウスのあるエリアがふさわしい立地であるのか、構造的な問題もあるなど、さまざまな要素が絡んできます。所有しているのも必ずしもJクラブではありません。そういった意味で、今後、各論で話を運んでいく可能性があるという話です」
シャワールーム、広い駐車場、ピッチ(グラウンド)、電話を使用できる事務所……PCR検査に仮設の検査場を設けることも可能になる。そのようにJリーグの財産でもある全国のクラブハウスの活用の可能性について、村井チェアマンがまず官房長官に伝えたそうだ。
ヨーロッパでは、欧州1の観客動員数を誇るドイツのボルシア・ドルトムントのスタジアムであるジグナル・イドゥナ・パルクの一部がすでに検査など医療面に開放されている。また、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティのエティハド・スタジアムも、医療向けの無料開放を決定している。
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[文:サカノワ編集グループ]