危機サラゴサ、2億5000万円削減へ。グラサン香川真司が現地到着、クラブと協議へ
サラゴサの香川真司。※レアル・サラゴサの公式ツイッターより
人件費の上限は規定されていて、「そのルールは今日、明日には変わらない」。
スペイン2部リーグ、レアル・サラゴサの日本代表MF香川真司が9月5日、チームに合流した。トップチームはすでに始動しているが、日本でのビザ取得のため香川は練習参加が遅れていた。メディカルチェックとPCR検査の結果が出たあと、全体練習に合流する。
地元メディア『ヘラルド・デ・アラゴン』では、マスクと黒のサングラス姿の香川がカメラに向かって手を振りながらクラブハウス内に向かう写真を掲載している。ラ・リーガのプロトコルに基づき、新型コロナウイルスの検査結果で「陰性」と判明するまで、周囲と接触することはできずにいる。
しかし、クラブは基本的に、香川の放出を考えているという。
今回の記事でも、クラブは昨季多くの投資をしながら1部昇格を逃し、シーズン終盤には新型コロナウイルスの影響により無観客試合が続き経営面でも大きな打撃を受けた。
ラロ・アランテギ・スポーツダイレクターは、複数の選手が「経営面のバランスをとるため」にリストラの対象だという。その“バランス”を取るためには、クラブ内で最も高額な総額44万ユーロ(約5500万円)を受け取る香川は、どうしても放出要員になってしまうという。何よりスペインリーグではクラブごとの人件費の上限が定められていて、現時点で「200万ユーロ(約2億5000万円)以上の削減が必須」ということだ(サラゴサの人件費の上限は約10億円)。
同メディアは「それはリーグで定められいて、今日明日に変更できるルールではない」として、クラブが選手と折衝のうえ、何かしらの決断を下さなければいけない状況にあることを強調している。
残り1年間の契約を残す香川には、中東4クラブ、ドイツ、トルコからオファーが届いているという。サラゴサとしても違約金(移籍金)を得られることもあり放出を強く推奨している。一方、香川はスペインでプレーすることが夢であり、サラゴサ残留もしくはスペイン国内への移籍を希望しているそうだ。
いずれにせよ、戦うのはチームだ。そのためにルベン・バラハ新監督の意向が、大きな影響をもたらすということだ。
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[文:サカノワ編集グループ]