【Jリーグ】フードレスキューの輪、北海道から九州に広がる。札幌荒野の呼び掛けで鳥栖、北九州、琉球へ

オンラインでの取材に応じた(左上から)北九州の永田拓也、鳥栖の高丘陽平、琉球の上里一将、(左下から)札幌の荒野拓馬、菅野孝憲、「レスキューヒーロー」の公式サイト(スクリーンショット)。(C)SAKANOWA

「Rescue Hero」に名称変更、フードロスの問題解消と周知から様々な社会活動を展開へ。

 J1リーグ北海道コンサドーレ札幌の荒野拓馬が『コールリーダー』となり、新型コロナウイルスの影響で社会問題化したフードロス問題の解消のため4月に立ち上げた「Food Rescue Hero」を、今後「Rescue Hero」と名称変更し全国のJリーグクラブの仲間と連携し、様々な取り組みを展開していくことを決めた。そして今回荒野の呼び掛けに応じた九州エリアから、サガン鳥栖の高丘陽平、ギラヴァンツ北九州の永田拓也、FC琉球の上里一将の3選手が参加することになり、6月1日、札幌でこの取り組みに立ち上げから参加している菅野孝憲とともに記者会見を行った。

「Food Rescue Hero」は4月25日、新型コロナウイルスの影響で、多くのイベントが中止になり飲食店も休業を余儀なくされるなか、荒野が余剰在庫を抱えた生産者を助けるためウェブサイトを立ち上げた。そのなかで、コロナ禍での食材廃棄の問題について伝えるとともに、生産品を割安な価格で出品。札幌の鈴木武蔵、石川直樹、菅野もメンバーに加わり、アスリートの発信力も生かして、フードロス問題の認知を広げてきた。

 そして5月29日、サイトを北海道版から全国版へ拡大。 サイトリニューアルに際し、フードロス問題のみならず、今後起こりうる問題(災害、人道支援など)の活動へ対応すべく、名称も「Food Rescue Hero」から「Rescue Hero」に変更した。

  新サイトURLは https://www.rescuehero.net  。商品を購入される方たちが「ヒーローー」となって店舗をサポート。問題の解決を図るとともに、それぞれが身近なところで起きている課題について考える機会になっている。フードロスに悩む生産者であれば、登録などは無料となっている。これまで北海道8件、九州1件が登録され、1100件以上の取引があるなど好評を博している。

 記者会見の冒頭、荒野は次のように経緯を説明した。

「いろいろな方にサポートをしてもらってきた自分が、今こそ何か力になり支えられないだろうかと思い、この活動を始めました。北海道からはじめて土台も少しずつできるなか、全国展開に至りました。今後は、全国で一人でも多くの方をレスキューしていければと思います。また、手を挙げてくれる選手と一緒にいい活動をしていきたい。フードのみならずいろいろな形で他分野でもレスキューできるのではないかと考え、名称をレスキューヒーローに変更しました。各地域でできることを考え、実際に行動していきたいです」

 また、北海道でこの活動に参加してきた菅野は「賛同してくれる選手が増え、日々前進していると実感しています。スピードよりも、みんなが人の役に立ちたい、選手が主導で取り組むことに意味があると思うので、自分たちのペースで、一人でも多くの方たちを助けて、社会と関わる機会として、さらに成長させていきたいです」と語り、活動の広がりを実感していた。そしてオンラインの会議システムを活用する機会が増えたことで、全国にあるJクラブがよりつなげっていける可能性も感じ取っていた。

 鳥栖の高丘は荒野の活動に以前から関心を持っていて、一方、自身も鳥栖市内の医療機関への弁当配布などを展開してきた。そうしたなか荒野と連絡し合い、今回の参加につながった。鳥栖の守護神は「九州からの第一弾の商品も発表されました。徐々に活動を広げていきたいと思います」と語った。

 また、北九州の永田は「北九州では新型コロナウイルスの第2波が訪れていると言われ、一度活気を取り戻したものの再びお店が閉まってしまうなど、積極的には外出できなくなり、フードロストの問題も深刻化していると感じています。北九州の生産者の方たちの力になりたい。一人でも多くの人にこの活動を知ってもらえるように、微力ではありますがお手伝いできればと思います」と呼び掛けた。

 札幌でも長年にわたりプレーしてきた琉球のキャプテンを務める上里は「沖縄では5月に入ってから感染者が出ていない状況ですが、観光面での影響は大きく、フードロスの問題も深刻だと報じられてきまたした。いろんな方々の声を聞きながら、困っている方たちを助けられるように、活動していきたいです」と語った。

 活動の輪は今後さらに広がっていく予定だ。

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[取材・文:塚越始]

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