INTERVIEW#2 エスクデロ競飛王が栃木の『9番』にこだわった理由「必ず何かを起こしてきた背番号。福田さんは今でもアイドル」

今季は栃木の「9番」をつけるエスクデロ競飛王(本人のSNS twitter:@chacarita151 instagram:@escudero09sergio より)。(C)TOCHIGI SC

「16歳でナビスコカップに初めて出場した時のキラキラした目を取り戻しましたね(笑)」

栃木SCに今季加入したFWエスクデロ競飛王のインタビューシリーズ第2弾、今回は「背番号9へのこだわり」について語る。浦和レッズの下部組織出身であるストライカーが追いかけてきた「9番」は――憧れの存在であるミスターレッズだ。

――栃木では背番号「9」を選びました。

「自分が輝いた時、調子が良かった時は、これまで必ず『9』番をつけていました。9番を背負うと必ず何かが起きてきた。栃木でもその“何か”が待っているはずです」

――9番をつけることで、ストライカーのプライドも取り戻したと?

「昨年の京都では9番が空いていたけれど、他の選手が付けるかもしれないからダメだと言われ、それ以上、要求しなかった自分がいました。(2年前までつけていた)10番は庄司(悦大)の番号になっています。でも、そこで絶対に9番をつけさせてほしい、という自分がいなかった。もちろん京都で実績をほとんど残せていなかったという引け目もどこかにあり、『分かりました』と応じて、そこで何も感じなかった。自分に何かが足りていない、と思ったのでしょう。

 今年は(強化部長の)山口さんと話すなかで、『9番をつけたいです』と伝えました。9番を背負うことで、必ずいいパフォーマンスを見せられるし、チームにも効果をもたらせる自信がありました」

――覚悟が伝わってきます。

「Jリーグでは3年、ゴールを決めていません。蔚山で2018年に半年間移籍した時、背番号9をつけて、ボランチからトップ下にポジションを移して、すぐに点を取れました。半年間で14試合に出て3ゴール・7アシストを記録できました。今季はそのポジションでできているので、点を取れる自信もあります。何よりもチームの目標を叶えることに貢献したい。『今年はちょっとスタジアムに行くのどうしようかな?』とためらっている栃木のファンが、週末に試合に行きたくてワクワクしてもらえる。そんなチームになっていけます、このメンバーでしたら」

――昨季は苦しんだ(京都サンガF.C.に在籍)?

「FCソウルでチームメイトだったデヤン(ダミヤノビッチ/モンテネグロ代表)は、『毎日喜んでプレーできる環境があれば、それでいい。それが一番だ』とよく言っていました。僕もそう思いたかったけれど、心身のバランスを取れず太ってしまうなどコンディションを整えられなくなりました。ただ、そうした経験をしたからこそ、今の自分もいて、まだまだサッカーのために人生を懸けたいと思えている。16歳でナビスコカップに初めて出場した時のような、あのキラキラした目を取り戻しましたね(笑)」

――いい目だね。

「サッカーができて、試合に出られて、5分でも、45分でも、90分でも、その時間に死ぬ気でやるのみです。結果はどうなるかは1年通して見ればいい。それぐらいの思いでやります。そのためにも、まず1点。早くゴールを決めたいです。最近、点を取る夢も見ましたから」

――「9番」を一段と輝かせたいですね。

「浦和レッズで9番を付けていたOBである福田正博さんは、僕にとって永遠のアイドルです。3歳からサッカーボールを蹴るようになり、初めて駒場に行った時、興奮して痺れました。今でも福田さんと話す時、緊張して震えますから。岡野(雅行)さん、土田尚史さんも憧れの的です。だから、ずっとアイドルでもある福田さんの『9番』を栃木でつけられて嬉しい限りです。この背番号とともに、J1昇格を成し遂げてみせます」

◆PROFILE◆
エスクデロ競飛王
Escudero Sergio Sergio Ariel Escudero

1988年9月1日生まれ、31歳 日本国籍。アルゼンチンの出身で同国とスペインで活躍し、浦和レッズにも在籍したセルヒオ・エスクデロが父親。171センチ・75キロ。これまでのキャリアは、ベレス・サルスフィエルド(アルゼンチン)― 柏レイソル青梅ジュニアユース ―  浦和レッズジュニアユース ― 浦和ユース ― 浦和 ― FCソウル(韓国) ― 江蘇蘇寧(中国) ― 京都サンガF.C. ― 蔚山現代FC  ― 京都 ― 栃木SC。昨季J2リーグ12試合・0得点。J1リーグ通算81試合・7得点、J2リーグ86試合・5得点。

※このインタビューは3回の連載。最終回の「5か国語を操る『語学力』は明日6月12日(金)午後にアップ予定です。

【INTERVIEW#1】 エスクデロ競飛王が栃木SCを選んだ理由「本気で変わりたいクラブの気持ちが伝わり、自分も一緒に変わりたいと思った」

[取材・文:塚越始]

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