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大迫勇也どうなる?経営難のブレーメンが36億円ダメージ、「主力一人、二人は失う」と若手路線で再建へ。コーフェルト監督の続投決定

ブレーメンの大迫勇也。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

「サッカー界にお金が流通していない。(移籍市場に)いい意味で変化が起きる」とクラブ会長。大迫の売却はないというが…。

 ブンデスリーガ1部残留を決定させた日本代表FW大迫勇也の所属するヴェルダー・ブレーメンは7月10日に記者会見を開いて、首脳陣が今シーズンの総括とともに今後の見通しについて語った。その要旨が、クラブ公式サイトで公開された。もともと経営難だったブレーメンだが、新シーズンについては、新型コロナウイルスの影響で観客動員についても見通しが立たず、中心戦力の売却と若手路線を加速させることが説明された。37歳の若手指揮官、フロリアン・コーフェルト監督の来季続投も決定している。

 クラウス・フィルブリー会長は「新型コロナウイルスを取り巻く現状では、私たちは3000万ユーロ(約36億円)のコストがかかります。もちろん私たちのみならず、お互いにそれぞれのクラブも減収を免れません。サッカー界でお金が流通してないのが現状で、(移籍市場など)いい意味での変化が起きるでしょう」

 そのようにプレミアリーグを中心に欧州サッカー界で膨らんできた“サッカー・バブル”が弾けることは免れないと予測。それは決して悪い面ばかりではないとも捉えている。

 一方、いつ観客を動員できるのか? それがブンデスリーガでは喫緊のテーマとなっている。同会長は「新シーズンが始まる時、少なくとも一部の観客の前ではプレーできるように期待しています。しかし観客をフルに迎え入れての開催については、見通しが立っていません」と説明があった。さらに無観客に加え、有料視聴による契約者数も減少していて、今後「メディア部門」でも大きなダメージを受けそうだということだ。

 今季の大幅な赤字計上は免れず、フランク・バウマン・スポーツダイレクターは、「レギュラー選手を一人、二人失うのは間違いないでしょう、必要不可欠です。売却しない選手はいません。しかし、その選手の価値以下で売るつもりは毛頭ありません」と強調する。様々な条件付きのオファーが届いてきているようだが、「私たちの条件に合わなければ、『ノー』と言える権利があります」と、足元を見透かしての“叩き売りオファー”には応じない、強い姿勢も示した。その中で、コソボ代表の24歳ミロト・ラシカが有力な「交渉カード」に挙がっていて、複数クラブから関心が寄せられているそうだ。

 一方、シーズン最終盤に活躍した大迫勇也については、今回触れられていない。『トランスファーマーケット』によると、大迫とブレーメンの契約は2022年6月まで。地元メディアでは、現時点では残留が基本線だと報じられている。

 ただ、FWでのプレーを希望していた大迫だが、シーズン終盤はトップ下(2列目)起用で固定された。プレーに柔軟性が増してきたとも言えるが、そのあたりを30歳になった大迫自身がどのように捉えるのか――。

 ちなみに昨年9月、日本代表としてカシマスタジアムでパラグアイ代表戦でゴールを決めた際、大迫は「鹿島(アントラーズ)を出て、6、7年経ちますけれど、今でもコンタクトがあり、僕にとっては特別なチーム」と語っていた。Jリーグはこのあと二度、シーズン中に移籍期間が設けられている。ブレーメンと鹿島、両チームの状況によっては、もしかすると……!?

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[文:サカノワ編集グループ]

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