【日韓戦】冨安出血…VARがあれば4原則の対象、韓国FWはレッドカード相当
韓国戦でフル出場した冨安健洋。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
親善試合のため今回採用されず。ボールに関係ない場面で、肘打ちを食らい口から出血。
[国際親善試合] 日本代表 3–0 韓国代表 /2021年3月25日/日産スタジアム
日本代表が韓国代表に3-0の快勝を収めた一戦、緊張感のある雰囲気のなか、ちょっと残念な悪質と言わざるを得ないプレーが発生した。日本が2-0とリードして迎えた68分、ボールに関係ない場面、DF冨安健洋(ボローニャFC)がマークにつくFWイ・ドンジュン(蔚山現代FC)から顔面に肘打ちを食らい、その場に転倒。口内を切り出血した。
そのあと冨安は相手選手のことなど意に介さず一旦タッチライン沿いに出て、口の中をゆすいで止血。再びピッチに戻って90分間戦い、日本をシャットアウト勝利に導いている。
TV中継ではイ・ドンジュンが、後ろにいる冨安に向かって完全に肘を突き出すシーンを捉えていた。
ただしボールのないところであるため、インド人で組まれた主審、副審、第4の審判の中で、この行為を確認していた審判はいなかった。
今回は親善試合であり、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)は設けられなかった。その状況を逆手に使うような出来事となってしまった。審判の目を欺く行為だったとも言える。
ちなみに、VARの原則として、チェックするのは4つの事象に限られる。改めて整理しよう。
1)得点かどうか
2)PKかどうか
3)退場かどうか
4)警告退場の人間違い
つまり得点、あるいは退場(人違いは警告)に関わるシーンしか、VARは介入しない。得点に関わらない場面での、ファウルの有無、またはボールが線を出たか出ないかなどは対象にならない。
もしもVARが採用されていた場合、今回のイ・ドンジュンの行為は、3)の「退場かどうか」に該当する。VARのチェックは入っていたに違いない(最終的にはVARの情報をもとに、主審が最終判断を下す)。
冨安は前歯が折れたようである。人を傷つけるこうした行為は、やはり後味が悪すぎる。激しいバトルに揉まれてきた22歳のファイター冨安は、まずは30日のモンゴル代表戦に果たして出場できるだろうか。
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[文:サカノワ編集グループ]