【東京五輪】「無観客有力」に複雑な心境。中山雄太「ホームの利になるような雰囲気を…」
中山雄太。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
サッカー男子の地方開催は1万人以上も可能か。一方、開幕戦や決勝など目玉カードが“21時超え”。時間変更なければ有観客は難しい!?
東京オリンピック日本代表(U-24日本代表)のMF中山雄太(PECズウォレ)が7月8日、オンラインによる取材に応じて、五輪本番に向けた意気込みなどを語った。
そのなかで、新型コロナウイルスの感染拡大とその対策のため、東京都に非常事態宣言が再び発令されたことを踏まえ、東京開催の場合は「無観客」が有力になっていることについて質問を受けた。
中山は次のように答えた。
「まずオリンピック自体、開催していただけることがとても光栄なことで、この状況下、すごく嬉しいことです。そうしたなか、声を大にして僕たちの意見だけで、お客さんが入ってほしいとは言えません。
ただ(プロ)サッカー選手として、スポーツをしているエンターテイナーとしては、お客さんの力をすごくもらってきました。まして東京の開催です。僕らにとって、ホームの利になるような雰囲気や環境になれればと想像してはいました。
僕たちだけの思いで、この状況で実現できることではありません。お客さんが、いるか、いないかで言えば、いてほしい思いが強いです。ただそこは、どうなるか分かりませんし、たとえ無観客だったとしても、画面越しからの観戦でも、何かを感じてもらえる試合をできたらと思っています」
そのようにアスリートとして、そしてホスト国の代表としての複雑な思いを口にしていた。
サッカーは東京以外での開催も多く、全国6都道県の計7会場で行われる。会場によっては、無観客は回避され、1万人あるいはより多くの動員も可能だ。
ただし一方、「20時以降」にキックオフを迎える試合も多い。日本対南アフリカの開幕戦(7/22 20:00@東京スタジアム)、そして3位決定戦(8/6 20:00@埼玉スタジアム)、決勝(8/7 20:30@横浜国際)といった“目玉”の試合がそれにあたる。
3位決定戦の会場となる埼玉県の大野元裕知事は試合時間が21時を超えることが分かっている場合、現状の特別措置にのっとり、無観客での開催にするべきだと組織委員会に要請している。また、神奈川県の黒岩祐治知事も男子決勝の試合終了後の状況を懸念している。
このキックオフ時間の問題は、1年前の日程変更時から分かっていたことでもある。試合終了時間が22時過ぎ、延長に突入すれば23時を超えるため、市民感情としても有観客は難しい状況と言える。
サッカーの20時や20時30分の試合開始は、Jリーグや日本代表の試合では近年組まれたことがない。日本ではなく海外の視聴を考慮しての時間設定だと分かる。
果たして何を優先するのか。五輪開幕直前、試合開始時間を含め、何かしらの変更はあるのか!?
注目記事:日本人選手の市場価格トップ20。3位久保建英、2位冨安健洋、1位は…。Jリーグ勢最高は21位
[文:サカノワ編集グループ]