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0-3懲罰、福島が反論。「出場許可」マッチコミッショナーから得ていた

(C)SAKANOWA

エントリー可能者リストに選手の名前がなく、当初は指摘される。

 J3リーグ福島ユナイテッドFCは8月19日、5月に開催されたヴァンラーレ八戸戦でエントリーが認められていなかった選手を試合出場したとされ、懲罰委員会の決定によりJリーグから2-0の試合を「0-3」没収試合とする処罰を受けたことについて、「マッチコミッショナーから許可を得ていた」として反論。顧問弁護士と話し合い、今後の対策を検討すると発表した。

 福島の認識する事実は以下のとおり。

 4月21日、福島で新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生し、選手7人の感染と残りの選手全員が濃厚接触者として隔離された。

 4月29日、新型コロナウイルス感染症に関するJリーグの指定公式検査が実施された。今回の該当選手は隔離中のため検査を受検できなかった。

 4月30日、検査結果が反映されたエントリー可能者リストが更新され、福島がダウンロードしたリストには、該当選手は記載されていなかった。

 5月14日までに、該当選手に対し、新型コロナウイルスのPCR検査と抗原検査を実施。いずれの検査においても陰性判定だった。

 5月16日、今回の問題となった八戸戦の開始に先立ち、福島の運営担当がマッチコミッショナーにエントリー可能者リストと該当選手が記載されたJリーグメンバー提出用紙を提出した。しかしマッチコミッショナーから、該当選手がエントリー可能者リストに記載がないと指摘を受けた。

 だがマッチコミッショナーから該当選手がエントリー可能者リストに記載がなくても、新型コロナウイルス感染症の陰性判定証明ができれば試合に出場することができる旨の発言があった。そのため、運営担当はマッチコミッショナーに対し、本件選手の抗原検査における陰性判定の結果を提出した。

 その結果、マッチコミッショナーは、該当選手が試合に出場できることを認め、Jリーグメンバー提出用紙に署名。該当選手が試合にエントリーし、出場した。

 ※なお、Jリーグの規定では、「エントリー資格認定委員会」への報告が必要。それを怠っていた、ということで今回の処分が科された。

 福島がJリーグに提出した意見書の概要は以下の通り。

 福島はまず、「Jリーグの指定公式検査において陰性判定を得ていない選手が試合に出場した点について、ファン・サポーターの皆様をはじめ、クラブを支えている全ての関係者にお詫び申し上げると共に、再発防止策の徹底に努めてまいります」と謝罪する。

 しかし、該当選手の試合出場は、マッチコミッショナーから認可を得たことで、エントリーしている。

「マッチコミッショナーは、Jリーグの実行委員会が推薦し、理事会が承認した後、チェアマンが任命し、公式試合に派遣されるもの。試合の開催や選手の出場などについて大きな権限を有している立場で、弊クラブとしては、マッチコミッショナーの認可がなければ、指摘に逆らって本件選手を試合に出場させる意思は全くありませんでしたし、事実上不可能と認識しています」

 福島は「誤ったエントリー可能者リストを提出したわけでもなく、Jリーグから派遣されたマッチコミッショナーにおいて本件選手が指定公式検査の陰性判定を得ていないことを認識したうえで、出場の認可をした」として、JFA懲罰規程の懲罰基準における「『不正』には当たらない、または、その違反の程度は極めて小さいと思料している」と指摘している。

 そうしたことから福島は「顧問弁護士をはじめとする関係機関とも相談の上、今後対応策を検討してまいります」と法的措置も検討する考えだ。

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[文:サカノワ編集グループ]

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