J1参入プレーオフ決勝『延長PK制』記載ミス問題、2/16臨時理事会で最終決定へ
2019年の入れ替え戦決勝、湘南が徳島と1-1で引き分けて、J1残留を決めた。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
引き分けは「J1勝利」、あるいは「完全決着方式」を採用か。
Jリーグは2月8日に実行委員会を行い、新型コロナウイルス感染症対応のガイドラインの変更を承認した。また2022シーズンのJ1参入プレーオフ決勝の大会方式について、昨年の段階で「90分で決着がつかない場合、延長さらにPK戦が実施される」と明記されていたが、これは“記載ミス”だったとする問題の扱いについて、2月16日の臨時理事会で最終決定すると説明があった。
J1参入プレーオフは、J2の3~6位がトーナメントを実施、その勝ち上がったチームとJ1の16位チームが対戦するもの。しかし新型コロナウイルスの影響を受けてのスケジュールを考慮し、最近2年間実施されていない。
2019年までの「参入プレーオフ決勝」は、J1・16位チームのホームゲーム扱いにより、一発勝負で開催。90分間戦い「引き分け」であれば、「年間順位・上位」の理由で、J1・16位チームが残留するというレギュレーションだった。
しかし、連戦を勝ち上がったJ2チームが、最後に“引き分けは負け”という高いハードルが待ち受け、突然J1チームが優位になる扱いに、ファンからは不公平ではないかという声が出ていた。
一方、J1勢としては、AFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)もあり、不確定要素も多く、リーグ全体のバランスを鑑み、優位性があるべきだと主張していた。
昨年の発表では、参入プレーオフ決勝について「90分で決着がつかない場合、延長さらにPK戦が実施される」と完全決着方式が明記され、これが理事会で承認された。
ところがその後、Jリーグはこの記載が誤りであると報告。「『2022 J1参入プレーオフ大会方式および試合方式について』に記載しております、 <試合方式および勝敗の決定>につきまして、改めて確認が必要な事項がございました。すでに情報発信いただいた皆様には大変ご迷惑をおかけすることとなり、心よりお詫び申し上げます。内容の確認がとれ次第、改めてプレスリリースにてお知らせいたします」と発表していた。
そして当初は“記載ミス”とのことだったが、改めてプレーオフの在り方について、しっかり議論すべきだという声が上がり、現在詰めているという。
原博実副理事長は次のように説明した。
「本当であれば、延長・PKまではなく、引き分けで終わるという形でした。延長・PKと記載されて理事会で決まり、開幕までもう一度話し合おうということになりました。多くの実行委員も変わるなか、これまでの経緯を踏まえ、アンケートを取って意見を集め、課題などを洗い出して議論しています」
2019年の同決勝ではJ2リーグの徳島ヴォルティスがJ1リーグの湘南ベルマーレと1-1と引き分けたが、この規定により、湘南のJ1残留が決定。そこで、引き分け制、開催地、外国籍選手枠……そういった点を改めて話し合うことになっていた。しかし2020年のコロナ禍で、議論は先延ばしされていたということだ。
そして2月16日の臨時理事会で最終決定が下されることに――。
ということは言い換えると、議論せず今季は「引き分け→J1勝利」を決定させようとしていたことにもなる。実行委員会が機能しているのかどうか、そのあたりも課題となってきそうだ。
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[文:塚越始]