最終決定の選択肢は「3つ」か。山形対岡山の競技規則適用ミス、Jリーグが国際サッカー評議会に確認へ。退場処分→間接FKはあり得ず…
写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
GK後藤がバックパスを手で掻き出してレッドカード。明記されたDOGSOには該当せず。
[J2 8節] 山形 0-1 岡山/2022年4月3日14:03/NDソフトスタジアム山形
Jリーグは4月4日、3日に行われたJ2リーグのモンテディオ山形対ファジアーノ岡山戦で「競技規則の適用ミス」があったと認め、日本サッカー協会(JFA)を通じて国際サッカー評議会(IFAB)に確認し、この試合の扱いについて協議する方針を発表した。
Jリーグは同日発表したプレスリリースで次のように報告している。
「4月3日(日)開催の2022明治安田生命J2リーグ第8節モンテディオ山形 vs ファジアーノ岡山(14:00キックオフ/NDソフトスタジアム山形)において、勝敗の決定に影響を及ぼす、担当審判員による明らかな競技規則の適用ミスがあったことが確認されました。
Jリーグは、本事案について日本サッカー協会(JFA)を通じて国際サッカー評議会(IFAB)にも確認し、当該試合の取り扱いについて速やかに協議した上で決定いたします」
この問題は、試合開始10分に起きた。山形のバックパスが自陣ゴールへ向かう。これに対しやや前方に出ていたGK後藤雅明が下がりながら横っ飛びして手でボールを掻き出し対応した。すると11分、主審はこのプレーをした後藤に対し、決定機を止めたとしてレッドカードを提示。後藤は退場処分を受けたのだ。
副審や第4の審判が介入せず、試合は続行。山形の國分伸太郎が交代で下がり、控えGK藤嶋栄介が出場。そして甲府の間接フリーキックで再開された。試合は90+2分のゴールで、岡山が勝利を収めている。
競技規則では、あくまでもGKがペナルティエリア内でバックパスを手で処理した場合について、相手に間接フリーキックが与えられることのみ記されている。それは相手選手がチャンスを作り出す「決定機阻止=DOGSO」には該当しない。
つまり“バックパスをGKが手で扱った”状況は、等しく同じように扱われるように規定されている。
「退場処分→(その反則による)間接FKでの再開」も本来はあり得ない。
そのため今回は誤審と異なり、競技規則の適用ミスにあたる。しかも退場者を出したチームが敗れている。過去にもPK戦を巡り競技規則の適用ミスが起きた際には、このPK戦について再試合が行われている。
現時点で考えられるのは、主審のミスを認めたうえでの試合成立、再試合、あるいはミスが起きた状態からの試合再開、その3つの可能性があり得そうだ。ただ山形の立場からすると、後者になることが考えられるか。
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[文:サカノワ編集グループ]