【日本代表】田中碧の幻ゴール、もしも南野拓実が触れたあと誰かがボールに関与していたらゴールは認められた?FIFA審判インストラクターが解説
田中碧が決めたかと思われたが…幻のゴールに。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
DAZNの『Jリーグジャッジリプレイ』で、詳しく説明。
サッカー日本代表(SAMURAI BLUE)が3月29日に埼玉スタジアム行ったカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選ラスト第10戦のベトナム代表戦(△1-1)の60分、田中碧の決勝ゴールかと思われたものの、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入により、直前の南野拓実の腕と顔にボールが当たったシーンをチェック。主審が最終的にハンドのファウルと認めて、得点は取り消された。
このシーンが、DAZNの「Jリーグジャッジメント」で取り上げられ、FIFA・AFC・JFA審判インストラクターの深野悦子氏が詳しく解説し、疑問などにも答えた。
ゴールシーンの起点になるAPP(ATTACKING POSSESSION PHASE)から全てのプレーをチェックするなか、上田綺世のシュートが南野の腕を弾いて顔に当たる形でこぼれ、そのボールを田中がゴールネットに蹴り込んだ。南野はあくまでも故意に手で触れてはいない。ただ、パスを求めるような形で出したあと、その引こうとした腕にボールが当たっている。この腕がゴールをもたらしたバリアにもなっていることから、判定は妥当ということだった。
深野氏は次のように説明した。
「偶発であればハンドの反則にはなりませんが、ただ手がボールのほうに伸びてしまっていて、“不自然な形で腕が大きくなっていた”ということで、ハンドと認められ得点は取り消しになりました」
前Jリーグ副理事長の原博実氏は「南野が手に当てようとしているわけではないが、結果的にボールが当たったあと、いいアシストのようになっていると捉えられてしまうのでは」と指摘。そこで平畠啓史氏は「仮に南野選手の手に当たったあと、もう一人誰かがボールに関与してゴールが決まっていたら、得点が認められていたということはありませんか?」と疑問を提示。これに対し深野氏は次のように答えた。
「APPの一連の流れの中で見るので、その流れの中であれば変わりません。南野選手の場所が本当にゴール前にいたことも関係していると思います」
やはり、パスを一瞬欲した手が、普通にランニングする形と異なり“不自然な動き”になることから、今回はアクシデンシャルに腕に当たったとは認められないのが妥当だろうという見解だった。
APPからの流れの中で起きたファウルは、全てチェックの対象であるという点も理解しておきたいところだ。
また今回のコンテンツでは、J1リーグでの横浜F・マリノス対FC東京戦での得点につながったディエゴ・オリヴェイラの渡辺皓太へのファウルと見られる後方からのタックル、ディエゴ・ピトゥカの退場と上田綺世の交代はどちらが先だったか? そしてモンテディオ山形対ファジアーノ岡山戦での競技規則の適用ミスについて、詳しく取り上げられている。
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[文:サカノワ編集グループ]