【日本代表】三笘薫が突き付けた課題「チームとしてどのように攻めていくのか」
三笘薫。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
ブラジル、チュニジアに枠内シュートゼロ。例えば失点後、狙いが共有できていない。
サッカー日本代表(SAMURAI BLUE)は6月14日のチュニジア代表戦を0-3で落とし、この6月シリーズは2勝2敗で終えた。FIFAランキングが23位の日本と拮抗する35位のチュニジアにも、ブラジル戦に続き枠内シュートゼロで敗れた。このシリーズで最も活躍が光った三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)がチュニジア戦後に語った“日本の課題”を改めてまとめたい。
「もう少し人数を上手くかけてゆっくり攻めることも必要だとも感じました。チームとして、揺さぶりながら攻めることも求められると思いました」
そのように切り出した三笘に、例えばワールドカップ本番でもあり得る、失点を喫した後、どのようにチームとして攻めるのかが定まっていないのではないか? という質問に、次のように答えた。
「そこが難しくて、自分が途中から出た時には仕掛けたい気持ちが強くありますが、相手が人数をかけていてもそこへ仕掛けていくのか、上手く周りを使いながらチームとして人数をかけていくのか、その判断が自分の課題です。
チームとしてもボールを持った時、ニアゾーンなど、どこを共有するのか。そういったバリエーション自体が少なく、ミドルで相手を引き出すなど、シュートも打てていません。
そういったチームの組み立てをやっていかないと、毎試合こうした流れになって、自分が行くだけになりカウンターを受けてしまう。チームとしてどのように攻めていくのか。決まり事と言いますか、いろんなものを持たないといけないと思います」
それぞれコミュニケーションは取っている。ただそれを全員で共有し、しかも体現できるところまで持っていくことが求められるのではないかという。
「個人間でコミュニケーションを取り、立ち位置をこうしてほしいと言うことはあります。ただチーム全員でそれを共有できているかというと、そうではないところも多いです。そこは必要だと思います」
ある程度噛み合っている時はそれでいいのかもしれないが(良くないのかもしれないが)、挽回したい時、あるいは攻めるのか耐えるのか判断に迷う時など、重要な場面での意識の共有ができていない。先発と交代出場、両方の役割からチームを見てきた三笘はそう痛感している。
「自分が(日本代表に)加わったのはアジア最終予選からで、その時は本当に時間がなく、合流翌日には試合があるようなこともあり、まずコンディションを整えることが優先されました。チームとして落とし込む時間は限られていました。
今回ある程度時間もあったなか、コミュニケーションを取りながら、チームとして戦術のところもある程度、狙いを持っていました。ただ狙いの細かさと言いますか、そこが全然足りていないと思いますし、フィールド内の自分たちでの対応力に寄ってしまっているところはまだあります。そこはいろんな人たちで議論していく必要があります。僕自身も選手、スタッフといろんな話をしながら構築していきたいです」
ある意味、活動時間が非常に限定的である代表チームの永遠のテーマとも言えるかもしれない。森保一監督のもと、どこまで徹底できるのか。あるいは試合中に舵を切っていけるのか。もしくは、それは選手間ですべきことなのか。
ワールドカップ(W杯)本番を前に、この黒星を喫したことはむしろ良薬と捉えたい。残り5か月、チームとして、この難題を乗り越えられるか。
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