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落合陽一氏と日本サッカー協会がタッグ「物理再構築技術とサッカーの融合」を研究へ

落合陽一氏 (Photo by Koki Nagahama/Getty Images for Media Ambition Tokyo)

田嶋幸三会長「今まで経験したことがない楽しみ方でサッカーのダイナミズムや魅力を味わっていただきたい」。

(公益財団法人)日本サッカー協会(JFA:田嶋幸三会長)と筑波大学デジタルネイチャー開発研究センター(センター長:落合陽一 筑波大学図書館情報メディア系准教授)は6月23日、「物理再構築技術とサッカーの融合」をテーマとした共同研究を実施することで合意した。同日開催されたJFA理事会で決定した。今後契約に向けて調整し、2022年7月から研究を開始する予定。

 共同研究内容(予定)は大きく次の3つ。

「1:世界一のサッカースタジアム観戦環境および新たな視聴環境の開発 デジタルデータによる自由視点の試合映像の構築 観戦/視聴におけるダイバーシティ・インクルージョンの追求」

「2:サッカー技術や指導方法に関わるデジタル技術の開発 ヴァーチャルリアリティー(VR)やドローンなどの技術を駆使したグラスルーツ向け指導技術の構築」

「3:日本サッカーミュージアム、日本サッカー殿堂の監修 日本サッカーミュージアムにおける展示・掲額のあり方の検討や上記研究技術の転用・検証」

 田嶋会長は次のようにコメントしている。

「科学技術は日進月歩で、スポーツの世界でも新しい技術を取り入れ、競技力の向上や選手強化、戦術などに生かしています。また、5Gという強力な通信インフラが整備されたことにより、ピッチにいるかのような自由視点の映像を楽しめたり、スタジアムにいなくても観客席に座っているかのような視点と視野でサッカーを観戦できたり、あるいは、視覚情報だけに依存しない観戦体験を得られるなど、可能性は大きく広がっています。

 今回の共同研究により、老若男女・障がいの有無を問わず多くの人々に今まで経験したことがない楽しみ方でサッカーのダイナミズムや魅力を味わっていただくほか、その研究・開発をグラスルーツサッカーの発展、指導技術の向上、JFAのレガシーの有効活用などさまざまな分野に活用していきたいと考えています」

 また、落合陽一センター長は次のようにコメントしている。

「筑波大は日本初の『フートボール部』を組織した高等師範学校を前身に持ち、サッカーとの関わりにおいて日本で最も深く長い歴史をもつといえる大学の一つです。またメディア芸術やデジタル芸術の分野でも国内最古の教育機関の一つであり、多くの先駆者を輩出してまいりました。

 そのような大学の文化的背景の中、我々デジタルネイチャー開発研究センターは自然と調和するデジタル技術を志向し、視聴触覚の臨場感技術や波動制御技術・最適化技術・人工知能技術を駆使し、持続可能な人・計算機・自然の環境が、多元的に花開く未来に向け歩んでいます。

 スポーツによる健康の増進、身体感覚の拡張、観戦による共悦的な体験は生活習慣が変化し、分断が顕著な新型感染症以降の世界において人類の調和と発展に重要な意味を持つと考えています。今回の協働によって、サッカーにおける『現在』の観戦・『過去』の歴史の追体験・『未来』に向けた教育が、属性によらない全ての人々に包摂的に提供される一助となれるようまい進していきたいと考えています」

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