×

【野々村チェアマン一問一答】声出し応援の浦和に罰金最大2000万円、次回違反で「無観客+勝点はく奪」を諮問へ

『無観客試合』『勝点はく奪』、この事案はそれほど重いという認識か?「はい、もちろんです」

――罰則の件だが、そういう方向で検討する、という段階なのか。ただ規律・裁定委員会も関わってくる問題。次回ルール違反があれば「無観客」になると決まった話なのか? 詳しく教えてほしい。

「最終的には裁定委員会を通して、裁定委員会で諮問を受けなければ、チェアマンが決めるところまで行きません。現在のリーグの考えとしては、上限の罰金は、今まで起こった事案に対して、ということです。ここからは同じようなことが起こった場合には、上のペナルティとなり、無観客試合、勝点はく奪することに進んでいきます、ということをお伝えさせていただきました。それを含めて、次にも同じことがあった時には、こうした対応をすると裁定委員会にも諮問するということです」

――これは今回の浦和に対して、ということ? あるいは規約を変えて、そうした行為があった場合、一律そういった対応をするということか?

「そこまでではないです。現在の規律の範囲の中で、いかに対応するということです」

――無観客試合や勝点はく奪は相当重い懲罰だが、野々村チェアマンはそれぐらい「重い」と受け止めているのか?

「はい、もちろんです。今日一番確認したかったのは浦和としてのスタンスです。リーグと一緒にやっていけるのかを確認したかった。それを同じだということであれば、こうした対応を取らないと、リーグとしても、他のクラブ、サポーターに対しても示しがつかない、バランスを考えれば、そういった対応になるのも仕方ないのかなと思います」

メディアへの説明に応じたJリーグの野々村チェアマン。協力:Jリーグ/(C)SAKANOWA

――浦和は公式サイトで「サポーターとの直接的なコミュニケーション」をとると言っている。しかし、クラブとサポーターのつながりが、もっとより透明化されて周囲に見えるようになる必要も感じる。海外のようなサポーターの登録制度も検討すべき一案では。

「より多くのトラブルを経験しているサッカーの先進国から学ぶことも大事だと思います。クラブとサポーターの関係性の話がありましたが、クラブが自分たちで状況をどのように変えていくかが、一番求められること。今回一つのキッカケになればと感じます。(提案について)検討する材料にし、リーグとして新たな形を考える重要性も感じます」

――改めてだが上限2000万円の罰金は、今回までの事案に関して裁定委員会に諮問するということか?

「そういうことです。同時にもう一回同じようなことがあった場合には、次のステップに行きますよと同時に諮問したいと思っています」

――ルールを逸脱した「声出し応援」をしているとJリーグが認識しているのは、今は浦和だけか?

「軽微なもの、瞬間的に声を出すことは許容されていますし、常に黙っていなければいけないわけではありません。集団で長く声を出すこと、それが突発的に短時間ではない、故意に行っているものに対し、クラブが管理できているかどうか。その管理の状態を、Jリーグとしては、見ていくということになります。Jリーグ内で認識しているのは、その2件(浦和の鹿島戦、G大阪戦での行為)になります」

――つまり今回の臨時実行委員会は、浦和レッズに対し、どのような対応をするかというものだったのか。他クラブでも同様の罰則も適用することも話し合われたのか?

「改めてみんなで協力して引き続きやっていきましょうということと、今回のことに関し、各クラブが思うところは多々あり、アドバイス的なことを含めて。Jリーグの実行委員会の中では、今回の事案に関し、厳しい意見もありましたが、仲間として、より前へ進んでいける状態を願う声は多く出ていたと思います。そのような会になったかと思います」

――浦和に罰則が科される理由は、新型コロナウイルスの感染リスクが高まるからというよりも、全クラブとしての足並みを乱していたからになるのか。あるいはその両方なのか(次ページ 3/3)

Ads

Ads