【野々村チェアマン一問一答】声出し応援の浦和に罰金最大2000万円、次回違反で「無観客+勝点はく奪」を諮問へ
対象は鹿島とG大阪戦での“違反”。「例えば浦和へのヒアリングをなかなかさせてもらえなかったりもしました」
――浦和に罰則が科される理由は、新型コロナウイルスの感染リスクが高まるからというよりも、全クラブとしての足並みを乱していたからになるのか。あるいはその両方なのか。
「新型コロナウイルスの状況によって、58クラブが話し合ってそのガイドラインが変化してきて、それに反する行為があった際にはペナルティの対象になるということです。今多くの人たちが、声を出してスタジアムの情熱を取り戻したいという思いを持ちながら、我慢して、いろんな検証に参加し、もう少しまで、というところまで来ています。その状況を含め、今回、リーグとしての判断になったと思います」
――つまり浦和の行為の対象は、鹿島戦とG大阪戦のどこを指しているのか?
「対象はその2試合になります。事実確認はリーグサイドでしなければいけません。ただ鹿島戦の事実確認では、例えば浦和へのヒアリングをなかなかさせてもらえなかったりもしました。そうこうしているうちにガンバ戦で(声出し違反行為が)起きました。これは事実かどうかという確認は、ここ(臨時実行委員会)でできると思っていました。浦和の(立花)社長と会い、大筋での事実を認め謝罪し、これから一緒の方向に進んでいくと確認できたので、今日こういう判断にしますとお伝えさせてもらいました」
――浦和はG大阪戦のみを謝罪している。Jリーグと認識のズレがあるのでは?
「鹿島戦については、こちらサイドで現場にて相当事実確認していると思います。その鹿島の案件は、浦和のヒアリングをもって事実認定となるので、別件で動いていることもあってのリリースなのかもしれません。明確にお伝えしているのは、その2試合での行為です」
――鹿島戦からは2か月経っている。その時点で一つ対応しておけば、このG大阪戦の事案は起きなかったのでは?
「どうすればこうした問題が起きなくなるかは、クラブの自浄努力にかかっています。どんな対策を打つのかが問われる、そこが一番大切なわけです。リーグとしては、ステイトメントを出して、クラブのスタンスを明確にするべきだとか、再発防止策をしっかり明示して訴えるべきだと再三にわたり伝えてきました。それができないなか、自浄能力を作っていくことをしないなか、ペナルティを与えてもまた同じになるだけです。リーグとしては、クラブがどういうスタンスでこの問題に向き合おうとしているのか、その改善策を求めていたところはあります」
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[取材・構成:塚越始]