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【福岡2-3名古屋】GK永石とDF宮の頭部激突「止められるのは審判だけだった」。元FIFA国際審判の家本氏が見解を示す

(C)SAKANOWA

主審からは接触の程度と箇所を確認できなかったか。DAZNの『Jリーグジャッジリプレイ』で詳しく解説。

[J1 28節] 福岡 2-3 名古屋/2022年9月3日19:04/ベスト電器スタジアム

 J1リーグ28節、結果的に“マナー”の判断が影響した2ゴールで名古屋グランパスがアビスパ福岡に3-2の勝利を収めた一戦。その問題となった先制点とジョルジュ・クルークスの“非紳士的ゴール”が、疑問のジャッジについて議論するDAZNのコンテンツ『Jリーグジャッジリプレイ』で取り上げられた。

 問題の発端となった開始2分、森下龍矢の先制点について。名古屋のロングフィードに対し、福岡のGK永石拓海とDF宮大樹が自陣ペナルティエリアの前で頭部をぶつけて両者ともに倒れた。ゴールは無人となり、名古屋はプレーを続行。福岡の2人は倒れたまま、最後は森下がゴールを決めた。

 永石は立ち上がれず、脳震盪の疑いで6分、村上昌謙と交代を余儀なくされた。

 このシーンについて、元FIFA国際審判員の家本政明が自身の考えを語り、2人の激突を後方から見ていた主審は「接触の程度、箇所(頭部)を確認できなかったのではないか」として、試合を止める判断を躊躇した理由を推察していた。主審の立ち位置が真後ろに近かったことから、角度をもう少し付けて確認したかったということだ。

 そのうえで、「(プレーを止めなかった)名古屋が悪い、ということは絶対にありません。この状況で唯一止められたのがレフェリーチームでした」と自身の見解を示した。

 また、競技規則の冒頭の「基本的考え方と精神」では、サッカーの“大原則”として、「事故が起きてしまうのは致し方ないものだが」としたうえで、「競技者の安全と安心、快適さ」をまず最優先すべきだと記されている。その原則に従えば、2019年の大阪ダービーでも似た事例が起きていて、「その教訓を生かせなかったのはすごく残念でした」と家本氏は語った。第4の審判がこれは危険だ、と叫んでもよかったかもしれないとも言っていた。

 フットボールとして成り立たせるためにも、その前文である「基本的考え方と精神」に従い、審判が止めるべきだった。そのように改めて指摘していた。 

 このあとの本来“マナー”であれば、福岡が名古屋へボールを返すところ、福岡のスローインからルキアンが右サイドから仕掛け、そのクロスをクルークスがしっかり合わせてゴールネットを揺らした。

 ここで、名古屋の選手たちは、マナー違反を訴える。そして長谷部監督は、名古屋に1点を返すように指示。そして名古屋の永井がそのまま持ち込み、1点を返した。

 外国籍選手に対し、福岡が“ボールを相手に渡す”というコミュニケーションが通じていなかった可能性があったのではないかと推測され、またサッカー文化の相違などから、家本氏は「簡単なシーンではなかったです」と語った。

 むしろクルークスのゴールだけを認めて試合を続行した場合、より試合が荒れていただろうとも予測していた。

 とはいえ、このあと結果的に福岡に退場者が出て、終盤には二度ハンドではないかという微妙なシーンもあり、そして名古屋の勝利に。後味の悪さだけが残ってしまった。

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