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【カタールW杯】エクアドルのゴール取り消し「半自動オフサイド判定技術」とは? 選手1人センサー最大29個で追跡、ボールから毎秒500回データ送信

FIFAからカタールW杯開幕前に説明のあった「半自動オフサイド判定技術」。ボールから毎秒500回のデータが送信される。 (Photo by Christopher Lee/Getty Images)

カメラ12台! FIFAが3年間にわたってデータを収集、今大会から導入。

[カタールW杯 A組 第1戦] カタール代表 0–2 エクアドル代表/2022年11月20日19:00(日本時間21日1:00)/アル・ベイト・スタジアム

 カタール・ワールドカップ(W杯)開幕戦、エクアドル代表がエネル・バレンシアの2ゴールにより2-0で、ホスト国のカタール代表に勝利を収めた。

 この試合の開始早々3分、エクアドルのバレンシアのゴールが、今大会導入されている「半自動オフサイド判定技術」(Semi-automated offside technology)によって取り消された。

 このテクノロジーは、FIFA(国際サッカー連盟)が3年間にわたってデータを集め、今大会で導入に至った最新のものだ。スタジアムの屋根に設置された12台のカメラが、選手一人最大29(つま先、スパイクの先、かかと、膝、肘、指先、頭など)のデータポイントをセンサーで追跡して、毎秒50回データを送信。さらにアディダスの公式試合球である「アル・リーラ」の中心に配置されたセンサーが、1秒間に500回のデータを送信して正確なキックポイントを検出する。

 選手の四肢をはじめ全身、そしてボールを追跡するデータとAIを組み合わせ、その時点でオフサイドポジションにいた攻撃者がボールを受け取ると、ビデオオペレーションルームに自動オフサイドアラートが発せられる。

 最終的に判断するのは主審である。ただオフサイドは基本的に自動的に判定できるものであり、判定の時間を短縮するため、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)オンリーレビューで決定が下される(主審がビデオをチェックするオン・フィールド・レビューは基本実施されない)。

 そして、主審の決定に使用されたのと同じ位置データポイントの3Dアニメーションが、スタジアムの巨大スクリーンに表示され、FIFA の放送パートナーにも提供される。

 今回の判定は、飛び出したゴールキーパーがオフサイドラインになっていたケース。確かにエクアドルの選手がボールに競った瞬間、その後ろにいた選手の足が前へ出ている。その選手がゴールに関与したため、オフサイド判定が正しかったことが分かる。

 ただし一方、果たしてその数センチや数ミリまで判定できるオフサイドラインが本当に寸分の狂いもなく正しいものなのか、むしろミリ単位の完璧な「オフサイドライン」を引くのは難しいのでは、などの声もあり、テクノロジー判定に完全に依存することへの賛否両論が出ている。

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