「なでしこ審判トリオ」女子W杯の感動を報告。山下良美さん「サッカーを続け、好きになり、今大会はすごく楽しめました」
女子W杯に臨んだ審判員の(左から)手代木直美さん、山下良美さん、坊薗真琴さん。(C)SAKANOWA
開幕戦の担当、予感あった――。
日本サッカー協会(JFA)は8月28日、レフェリーブリーフィングを行い、そのなかでオーストラリア&ニュージーランド共催の女子ワールドカップ(W杯)での活動を終えた主審の山下良美さん(サッカー国際審判員、プロフェッショナルレフェリー)、副審の坊薗真琴さんと手代木直美さん(いずれもサッカー国際審判員)の『なでしこ審判団トリオ』が大会を終えての感想を語った。
3人は20日に全ての活動を終えて、21日に帰国。山下さんはニュージーランド対ノルウェーの開幕戦で主審の大役を任され、決勝では第4審も担った。
「この大会はすごく楽しむことができました。今までサッカーを続けてきて、サッカーを好きになれて、こうしてサッカーを楽しめる幸せをすごく感じました。ここに至るまで、本当にたくさんの方たちの支えがあり、応援していただき、一つひとつがここにつながっていたと感じています。大会を終え、さらに感謝の気持ちを感じています」
一方、テクニカルな面では、常に課題と向き合う日々は今もこれからも変わらないという。
「テクニカルなことは毎試合課題が出ます。もっと早く動き出さなければいけない、そのためには多くの選択肢が必要だったのではないかなど、その一つひとつをよりよくしていきたいという思いを持ち、次の試合に向かっていきたいです」
また、坊薗さんも「心の底から女子サッカーを楽しむことができました」と言う。
「そこに至るまでたくさんの方々に支えていただき、それまでには長くいろんな思いを抱きながら向かっていきました。それが少し報われた大会になりました」
審判員は周囲との接触なども制限される。特にW杯規模になると、より緊張感も増す。トレーニングなど孤独を感じることも多いが、今回そうした幸せな気持ちを抱けたのは「この3人で臨むことができたからこそです」とも笑顔を浮かべた。
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そして手代木さんは世界一を決める国際大会とあって、「今までにないぐらい多くの方たちと関わる機会があり、それを含めてとても楽しむことができました」と振り返った。また、開幕戦の審判団割り当てについて、現地入りしたあとの審判団によるトレーニングで山下さんの調子がとても良いと感じ、「これは(割り当てを)引いてくるのではないか」と予感していたとも明かした。