佐野海舟が一番拍手を貰っていた。本人の挙げた課題とは? マインツ、板倉滉のボルシアMGと1-1ドロー
マインツの佐野海舟。(Photo by Juergen Schwarz/Getty Images)
今度はゴールを決めて、さらに大きな歓喜をもたらしたい!
[ブンデスリーガ 8節]マインツ 1-1 ボルシアMG/2024年10月26日(現地25日)/MEWAアレーナ
ドイツ・ブンデスリーガ1部8節、1.FSVマインツ05はボルシア・メンヒェングラートバッハと1-1で引き分けた。マインツの佐野海舟はボランチ、ボルシアMGの板倉滉はセンターバックとしてフル出場を果たした。
佐野は開幕からリーグ8試合連続の先発で、5戦続けてのフル出場。チームは連敗を阻止して2試合ぶりの勝点を獲得したが、まだホームでは未勝利だ。
熱量と一体感のあるマインツサポーターの前で、一番拍手をもらっていたのが佐野だった。ピンチの芽を次々と摘んでいき、ボールを奪えれば逆襲に転じる。その立ち向かう姿勢が、スタンドを埋めた大観衆の心をよりヒートアップさせていた。
後半開始早々の50分だった。相手が左サイドから速攻に持ち込むと、佐野は一気にトップスピードに乗り体を張ったスライディングタックルでボールをタッチラインの外に出した。するとメインとバックスタンドの観客も立ち上がり、その気迫のこもったプレーに対し、拍手とともにチャントに乗せた熱い声援を送っていた。
さらに79分、マインツのウイングバックが振り切られてしまい、ゴール前で数的不利となった。佐野はゴール前へ加速して帰陣し、ギリギリのところで再びスライディングで身を挺す。そして相手がシュートかパスか一瞬迷った瞬間、先にボールへ触れてマインツボールにした。相手に流れを託さなかった。
その直後の80分、ボール奪取から左サイドを持ち上がる。マインツの6番はファウルを受けて止められ、相手にイエローカードが提示された。
その一つひとつのビッグプレーに、マインツサポーターは惜しみない拍手を送っていた。
対戦した板倉は「危機察知能力とフィジカル、両方持っている。海舟にとことん潰されました」とその”ボール回収力”を称賛していた。
一方、佐野本人は「もっと勝利に貢献するプレーをしたい」と言った。
「まだまだ足りない部分がたくさんあり、もっとゴールにつながるプレーを増やさないといけないと思います。自分の強みを出しながら、課題であるオフェンス面で点につながるように、もっと高い意識を持ってやっていきたいです」
リスク管理するポジショニングはほぼ完璧と言えた。一方、マインツのアタッカー陣はとにかく前へ入れ込み気味で、強引に攻めたり、シュートを打ったりして、ある意味、相手の狙い通りチャンスをフイにしていった。
この夏に鹿島アントラーズから加わった佐野は周囲との連係に「最初の頃より良くなってきていて、バランスは取れています」と一定の手応えを得る。今後は攻撃時に味方へ多少ゼスチャーをしてでも、ボールを要求していってもいいのかもしれない。
高い集中力を保ちボールを奪い切るプレーに、マインツサポーターはより大きな拍手と声援を送り、それに応えることで進化を遂げる佐野がいた。次はゴールを決めて、もっと大きな歓喜をもたらしたい。
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※佐野選手が鹿島アントラーズへの想いなども語ってくれました。改めて掲載します。サカノワのエックス(旧ツイッター)、Instagram…フォローしていただけると嬉しいです!