【U-20女子W杯】120+5分に追い付く。ヤングなでしこ、フランスとの死闘制し26日ブラジルと4強対決!大山愛笑が決め、大場朱羽は守り切る
FIFA Women's World Cupの公式インスタグラムより。日本、ブラジル、スペイン、フランスがU-20女子W杯でベスト4進出!
GK3人全員出場。いずれも特長を発揮し、勝ち上がりに貢献。
U-20日本女子代表が現地8月21日、開催中のコスタリカU-20女子ワールドカップ(W杯)準々決勝で劇的な展開でPK戦に持ち込み、U-20フランス女子代表を下して、優勝した前回に続きベスト4進出を果たした。日本は準決勝、日本時間26日11時からブラジル女子代表と対戦する。
U-20女子W杯は新型コロナウイルスのパンデミックにより前回大会が中止・延期され、4年ぶりに開催された。グループリーグを首位で通過した日本はこのフランス戦、今大会初めて先制点を奪われてしまう。そのあと山本柚月(日テレ・東京ヴェルディ・ベレーザ)のPKで追いつき、そこからシーソーゲームでもつれて延長戦に突入する。
110分、フランスにミドルを決められリードを許す。それでも諦めず、120分を過ぎたアディショナルタイム、日本がFKを得る。大山愛笑(ベレーザ)の精度の高いキックに合わせようとした藤野あおば(ベレーザ)とGKが交錯。ボールはラインを割って外に出て、万事休すかと思われた。
しかしここでVARチェックが入り、主審はフランスのファウルで日本にPKを与えた。120+5分、これを藤野が落ち着いて沈め、土壇場で3-3に追い付きPK戦に持ち込んだ。
GK大場朱羽(イーストテネシー州立大)は落ち着いていた。120分の土壇場で待っていた展開に動揺を隠せないフランス一人目のキックを読み切りセーブ! 一方、流れを引き寄せた日本は5人全員が成功し、準決勝進出を決めた。
今大会のGK3人はそれぞれ特長が異なる。初戦のオランダ戦ではシュートストップが得意な福田史織(三菱重工浦和レッズレディース)、続くガーナ戦ではビルドアップに定評のある野田にな(ベレーザ)、グループリーグ突破をかけたアメリカとの最終戦にはクロスへの対応がずば抜けている大場が起用され、それぞれ特長をいかんなく発揮した。
フランス戦でも先発した大場は、JFAアカデミー福島の出身でU-17日本女子代表でも活躍。イーストテネシー州立大学への道を選び、1年目からレギュラーを獲得し最優秀新人賞を受賞した。その成長した姿をしっかり示し、「いいプレッシャーのなかで戦えています」とメンタル面の充実ぶりも見せる。
フランス戦のPK戦前には大場コールも響き、「(声援は)聞こえていました。こんな大勢の方に応援してもらえるなかでプレーできて、嬉しい気持ちもあります。それが力になって止めることができました」と雰囲気をも味方につけた。
自信を深めながら勝ち上がり、自身の新たな可能性を引き出しているのは大場だけではない。このチームは緊張感を楽しみながら進化を遂げ、1試合ごとに組織力も高まっている。連覇まであと2試合。準決勝のブラジル戦でも、その姿勢はブレない。
[文:早草紀子]
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