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FC東京の品位を落とす。レアンドロが繰り返す悪質な顔面殴打、清水戦の後藤への張り手は「レッドカードに該当」

FC東京のレアンドロ。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

JFA審判部が見解を示す。「乱暴な行為」の根絶は「今季の大きなテーマ」。昨季5試合の出場停止処分も…。

 日本サッカー協会(JFA)は8月23日にレフェリーブリーフィングを行い、8日に味の素スタジアムで開催されたJ1リーグFC東京対清水エスパルス戦で、背後からの後藤優介の危険なチャージに激高したFC東京のレアンドロが倒れる際に右手で後藤の顔面を打ったシーンについて説明。「乱暴な行為」でレアンドロに対し、レッドカードを提示することが妥当であったと見解を示した。

 76分、後方からの後藤のチャージは明らかなファウルで危険だった。それに対し、レアンドロが倒れる際、左手で後藤の首に腕をかけ、その勢いのまま右手で顔面を手で狙っているように見えた。しかし主審から後藤、レアンドロへのカードの提示はなし。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が主審に対し、レッドカードの可能性があると伝えることもなかった。主審は後藤のファウルで、FC東京ボールによりプレーを再開した。

 JFA審判部は「著しく不正なプレーと乱暴な行為」について、選手の安全を守るためにも「今シーズンの大きなテーマの一つ」と位置付けていると強調。VARに委ねる以前に、フィールド上での判定の精度をより高めていきたいと審判団での意思疎通を図っているという。JFA審判マネジャー(Jリーグ担当統括)の東城穣氏は「相手への配慮をもう一度考えていただきたい。今年はワールドカップ(W杯)を控え、ケガなどでチャンスを失うことは防がなければいけないと思っています」と説明した。

 そしてレアンドロの行為について、「乱暴な行為」に該当すると断言。後藤の後方からのファウルがあったのは間違いないが、顔を打ったレアンドロにはレッドカードが提示されるべき事象だったということだ。

 東城氏は「私たち(審判団)にも改善するポイントはありますが、やはりタックルを含め、選手が相手に危害を与えるつもりはないとはいえ、安全を守るよう選手の皆さんにご協力いただければと思います」と訴えた。

 レアンドロは昨季、相手選手の顔面を打つなど乱暴な行為により、Jリーグから厳しい処分を受けてきた。2021年9月の名古屋グランパス戦では中谷進之介の顔面に肘を向けて突進して倒して退場処分に。

 Jリーグ規律委員会は前年にもあったプレー中の相手選手への顔面殴打など2回の乱暴行為も加味し、リーグ3試合の出場停止と罰金30万円の処分を科した。さらにクラブはルヴァンカップ2試合を追加し公式戦計5試合の出場停止と制裁金100万円、厳重注意の処分を下していた。さらに当時の大金直樹社長、長谷川健太監督、古矢武士トップチームマネジメント部長が一部報酬返納もしていた。

 試合直後にも話題になったが、JFA審判部の指摘により再び物議を醸すことに。FC東京はそれでもこのブラジル代表での出場歴もあるFWの行為に目をつむるのだろうか。清水戦はFC東京のアカデミー生が招待されたゲームで、夏休みとあって多くの子ども達も訪れていた。Jリーグを観る者にもやは「偶然」では説明がつかない。プレーはチーム内では秀でているのかもしれないが、むしろクラブのプライドを傷つけ、品位を落とす存在になっている。

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