香川真司どうなる?1部昇格ならず。サラゴサ監督は退任「パンデミックの前から決めていた」
香川真司。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
実力不足か、それともイレギュラーなシーズン最大の“被害者”か。
[ラ・リーガ昇格PO 準決勝第2戦] レアル・サラゴサ 0-1 エルチェ/2020年8月17日/ラ・ロマレーダ
スペインリーグ(ラ・リーガ)1部昇格プレーオフ準決勝第2戦、レギュラーシーズン3位のレアル・サラゴサが同6位のエルチェCFに0-1で敗れ(2戦トータルスコア0-1)、決勝進出を逃した。サラゴサの日本代表MF香川真司は先発フル出場。
この試合翌日にはビクトール・フェルナンデス監督の退任記者会見が行われた。指揮官は「残念ながら達成できなかった目標のために戦ってくれた、すべての人に感謝します」「パンデミックが起きる前からクラブには相談していました。何が起きようとも、新たなコーチを探し、新たな戦略によるコースを選択することが必要だと感じていました」と、いずれにせよ退任する意向であったという。
サラゴサを率いるのが実に三度目だった59歳の指揮官は、血の入れ替えの必要性を感じていたという。2018年12月から率いて、2018-19シーズンは15位でフィニッシュ。そして香川らが加入した今季は一気に3位にジャンプアップした。
とはいえ、24歳のガーナ代表FWラファエル・ドワミーナの心臓病発覚による離脱、シーズン終盤の失速による自動昇格圏からの後退、そしてエースのコロンビア人FWルイス・スアレスのワトフォードFCへのプレーオフ直前のレンタルバック……。結果的には、力不足とも言える一方、パンデミックの最大の“被害者”にもなってしまった。
「今は空っぽで、本当に疲れています。このクラブの夢を実現するため、私たちは24時間働き続け、多くの逆境に直面してきました。パンデミックが決定的でした。私たちの最高の武器であるサポーターを頼れず、悲しいことに、この2試合も良いゲームをしていましたが、ゴールだけが欠如していました」
最後もある意味、サラゴサの今シーズンを象徴するような幕切れだった。ホームでの第1戦は相手に開始30分で退場者が出ながら点を奪えずスコアレスドロー。アウェーでの第2戦はシュート12本対4本と攻めたものの81分に失点を喫して万事休す。いざという勝負どころで、なかなか結果を残せなかった。
「サラゴサの来シーズンについて考えましょう。新たなエネルギーと新鮮なたくさんの心が必要です。上手くいけば、夢に到達できるでしょう」
名伯楽はそのように最後に呼び掛けた。
香川は2部リーグ31試合・4得点・1アシストを記録。サラゴサとは2年契約を結んでいるが、地元では退団の噂も出ている。確かに物足りない成績だとも言えるが、香川がいてこそ上位進出できたのは紛れもない事実。すぐにシーズンが始まるだけに、その動向にも注目が集まる。
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[文:サカノワ編集グループ]