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ニューカッスル武藤嘉紀、移籍を巡り騒がしく。マインツ復帰否定、ケルンの優先順位は…「ヨシはウチの優先事項では全くない」

マインツ時代の武藤嘉紀。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

クラブは事実上、このロシアW杯日本代表FWの放出を容認しているが――。

 イングランド・プレミアリーグのニューカッスル・ユナイテッドFCに所属する日本代表FW武藤嘉紀の周辺がにわかに騒がしくなってきた。この2シーズン思うように出場機会を得られずにいる28歳の日本人アタッカーについて、ニューカッスルは事実上、移籍を容認。これまでドイツ・ブンデスリーガの4チームが関心を持っていると報じられたが、彼の古巣である1.FSVマインツ05のフロントが真っ先にこの噂を否定した。

 ドイツメディア『フスバル・トランスファー』がこのほど「ブンデスリーガの4チームが武藤嘉紀に関心」とレポート。ブンデスリーガ1部の1.FCケルン、FCアウクスブルク、堂安律がこのほど新たに加入したアルミニア・ビーレフェルト、そして武藤が2018年まで在籍したマインツの4チームが獲得を検討しているというのだ。

 すると『フスバル・ニュース』が9月6日、マインツのラウフェンス・シュレーダー・スポーツダイレクター(SD)への直接取材を行った。シュレーダーSDは武藤に関する噂を完全否定。「ムトウは傑出した選手で、人間性は素晴らしかった」と称賛する一方、復帰については「ヨシ(武藤)はウチの優先事項では全くない」と強調したうえで、「彼の実績どうこうではなく、そもそも私たちの攻撃陣のクオリティとの関係のためだ」と、すでに開幕に備え攻撃陣の陣容を固めているということだ。

 マインツの選手たちへの信頼を示し、開幕に集中させる意味でも、同SDはこの補強の噂を公に“全面否定”した形だ。

 一方、ケルンの地元メディア『エクスプレス』によると、ケルンでは昨季2部リーグで14試合に出場している右MFのオーストリア代表フロリアン・カインツが負傷離脱。「その穴を埋めるためのタレント」を至急探しているという。そこでオランダ1部FCフローニンゲンで昨季25試合に出場したオーストラリア代表MFアイディン・フルスティッチの獲得を目指しているそうだ。

 さらには先日、SCパダーボルンからの獲得で合意していたFWストレリ・マンバだが、何とメディカルチェックで異常が見つかりドタバタのあとまさかの破断に。ここに来て、FWの補強が最重要課題になっている。

 武藤は確かに前線でも、サイドでもプレーできて、ドイツでの実績も踏まえると、リストアップされていてもおかしくないだろう。しかし同メディアは、「このアタッカーは年俸が非常に高いため、ケルンの関心度が今のところ低い」と報じている。

 2018年のロシア・ワールドカップ(W杯)にも日本代表のメンバーとして出場した武藤だが、やはりこの2年間のゴール数の少なさ、一方で高騰している年俸などがネックになっている。ケルンのみならず、他クラブへの移籍を現実的にするためには、ニューカッスルと武藤がどこまで譲歩するかもポイントになってきそうだ。

 武藤は1992年7月15日生まれ、28歳。東京都出身。179センチ・74キロ。2019-20シーズンはリーグ8試合・0得点、リーグカップ1試合・1得点、FAカップ1試合・0得点。ニューカッスルとは2022年6月まで契約を結んでいる。一方、マインツ時代の2017-18シーズンは公式戦30試合・10ゴール(リーグ27試合・8得点)を記録している。日本代表通算29試合・3得点。

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[文:サカノワ編集グループ]