【浦和】“天皇杯男”宇賀神友弥「オフサイドかなと思い、力を抜いて蹴れた」
天皇杯準決勝のC大阪戦でゴールを決めた宇賀神友弥。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
「言い方は悪いですが、自分を契約満了だと決めた人たちを見返したいと――」
[天皇杯 準決勝] 浦和 2–0 C大阪/2021年12月12日16:00/埼玉スタジアム
天皇杯・準決勝、浦和レッズの宇賀神友弥が会心のショットで、チームを決勝へと導く決勝ゴールをもたらした。
今季限りでの退団が発表された33歳がこの一戦、左サイドバックで先発出場を果たした。その起用の可能性を感じた時、チームの将来のためにも、若手に譲るべきだとリカルド・ロドリゲス監督に進言すべきか悩んだという。
しかし浦和が目指しているのは「勝利」、そして「タイトル」である。そのための選択肢として必要とされている――。そして宇賀神自身も言う。
「言い方は悪いですが、自分を契約満了だと決めた人たちを見返し、間違っていたと証明させたかった。その強い気持ちをもってピッチに立ちました。なぜ、そんなことを言うんだと思われそうですが、僕はそうしてここまで這い上がってきました。その気持ちがゴールに乗り移りました」
背番号「3」を支えてきた反骨心から生まれたパワー。それがこの浦和のユニフォームを着て立つ最後の埼スタのピッチで、最高の形に昇華された。
そしてゴールシーン。宇賀神はその際の心境を明かす。
「逆サイドにボールがあった時にオフサイドのようだったので、『オフサイドディレイ』でそのまま続き、(決めたとしても)『オフサイドなのかな』と軽い気持ちで打てました。明本(考浩)が目の前で空振りをして、あそこで時間ができたのも大きかったです」
そして力を抜き、シュートを放てたという。
「シュートは芯に当たったところで、『決まる』と思いました。(ゴール直後、この日3万人を超えた観客を煽ったが?)(酒井)宏樹から『もっと雰囲気を作っていきましょうよ』と言われて、そうだなと思い、やらせてもらいました」
そして決勝、国立で大分と対戦する。2018年度大会の決勝・ベガルタ仙台戦(〇1-0)でも決勝弾を決めている。宇賀神は「(後輩たちに対して)最後まで走り切り、球際で負けないところなど、一緒にプレーするなかで肌で感じてほしいと思いました。今日はゴールという最高の形で、それを見せられましたが、まだ何も勝ち取っていません。あと一つ勝って最高の形で『次、頼んだぞ』と伝えたいです」と決意を示した。
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[文:塚越始]