【川崎2-1浦和】「前半レッズ一方的」に対する両監督の異なる見解
川崎の鬼木達監督(左)、浦和のリカルド・ロドリゲス監督(右)。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI 徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
リカルド「2-0で勝てていた」、鬼木監督「相手にやられていると言うより…」。
[J1 10節] 川崎 2-1 浦和/2022年3月2日19:00/等々力陸上競技場
ACL(アジアチャンピオンズリーグ)出場のため前倒しで組まれた川崎フロンターレ対浦和レッズの注目の一戦、川崎が家長昭博と山根視来のゴールで浦和に逆転勝利を収めた。前半は岩波拓也のゴールなど浦和がほぼ主導権を握り続けた。浦和としては、あのまま戦い続けられれば――と言える展開だが、王者相手にそう上手くはいかなかった。
ただ、その前半について、川崎の鬼木達監督、浦和のリカルド・ロドリゲス監督はそれぞれややニュアンスの異なる興味深い見解を示した。川崎からすれば、自分たちから流れを悪くしていて、それを改善し逆転につなげたという。
リカルド・ロドリゲス監督は次のように振り返った。
「全体的に良かったと思います。特に前半はプレーに加えディフェンスの強度も高く、追加点を取れてもおかしくない展開で、相手にチャンスを作らせませんでした」
そして後半については「明本(考浩)の早々のチャンスを止められてしまい、我々の強度が次第に落ちてきたところを突かれてしまったと思います。(2失点は)立て続けにやられ、勝点を持って行かれてしまった印象です」。
改めて、ゴールへの道筋はできていて、得点力の低さを課題に挙げる。
「良かった部分はたくさんありました。チャンスを作ったけれども生かせなかった、それが敗戦につながったところだと思います。チャンスの数はあり、それを生かせていれば、2-0で勝てていてもおかしくない展開だったと思います」
一方、川崎の鬼木監督は、確かに前半の川崎のパフォーマンスが“悪かった”点を認める。しかし後半、すでにスクランブルで一人交代していたこともあったが、さらなる交代をせず選手たちを送り込んでいる。
その理由について、次のように語った。
「前半をどのように見るかだと思います。自分のなかでは、相手にやられていると言うより、自分たちのミスやセカンドボールをつなぐのか、クリアなのか、奪ったあとのボールの処理、攻撃の時に早くポジションを取っているのか、そして背後が空いているになぜ走らないのか? というところでした。
そこをしっかり考えた時、そこまで焦る状況ではないと感じました。
自分たちがやるべきことをやれればいけるのではないかと。コーチングスタッフも、そういう声掛けをしてくれてました。
様子を見ながら、自分たちの戦いをもっともっと推し進めていけるのではないかという判断で後半に入りました」
前半の鬼木監督はコーチングエリアで、すぐポジションを下げてしまう最終ライン、それに起因するバックパス増加、そして降りてきてしまう前線に対し、常に修正するように指示を送っていた。そしてハーフタイムを挟むと、確かにそのあたりが改善されていき、60分前後、浦和の体力が落ちてきたのを見ると一気に畳み掛け、逆転に成功した。
2試合連続の退場劇もあったとはいえ、時間が経つと息切れしてしまう感のある浦和は、開幕から全試合で後半に重要な失点を喫している。本当に「いい内容」と言い切るには、そのあたりの課題としっかり向き合うことも不可欠になる。
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