【日本代表】森保監督に推奨、ソシエダ式4-4-2でW杯へ!久保建英と鎌田大地が「軸」、FW選択肢も豊富に。南野拓実や旗手怜央の活用などメリット多数
レアル・ソシエダ式4-4-2での日本代表布陣。(C)SAKANOWA
アルグアシル監督が、現在の久保活用法“最適解”の一つを示す。
サッカー日本代表(SAMURAI BLUE)が9月23日(アメリカ代表戦)、27日(エクアドル代表戦)とドイツ・デュッセルドルフで親善試合を戦う。カタール・ワールドカップ(W杯)のメンバー発表を前にした最後の実戦で、最終選考の意味合いが強い。メンバーは9月15日に発表される。
ドイツ開催のため、これまで呼べなかった若手の欧州組も招集されそうだ。夏の移籍マーケットと欧州主要リーグの開幕を経て、日本代表の選手たちの所属先での立ち位置も大きく変わっている。なかにはケガだけではなく、実力により出場機会を失っている選手もいるだけに、森保一監督が招集や起用で、日本代表での「経験」を重視するのか、現在の「勢い」を買うのか、そのあたりも注目される。
これまで森保監督は基本的に、東京オリンピック代表チームを含め、頑なに1トップの布陣(センターフォワードを据える布陣)にこだわってきた。そうしたなか、なかなかそのポテンシャルを所属先でも日本代表でも発揮できずにいた久保建英だが、新天地のレアル・ソシエダで、2トップの一角に入り真価を発揮。開幕のカディスCF戦でチームのファーストゴールを奪取。UEFAヨーロッパリーグ(EL)のマンチェスター・ユナイテッド戦でもクロスからPK獲得を誘発するなど、1-0の勝利に導いた。
直近のヘタフェCF戦では、2トップの下に入る「トップ下」でプレー。しかし全方位からプレスを受けるこのポジションでは苦しみ力を発揮できず。いずれはトップ下も可能にしていきたいが、今回は期待に応えられなかった。
ただ「2トップでの久保FW起用」は、レアル・ソシエダのイマノル・アルグアシル監督が、現段階で久保の能力を最大限に生かす最適解の一つを示してくれたと言える。
そこで、森保ジャパンでも、この2トップを見たいところだ。
メリットは多い。
まず、これまで併用が難しかった鎌田大地との共存が可能になる。高い強度にさらされてもボールを収められる鎌田をトップ下に置き、ラ・レアルでの「久保+ダビド・シルバ」のような関係性を築ける。
南野拓実の復活も可能で、セルティックFCで急激な進化を遂げる旗手怜央の中盤起用の道も開ける。あるいは、ドイツ代表やスペイン代表という強豪に対し、勝負にこだわるならば、トップ下にボランチタイプの遠藤航や守田英正を据えるオプションも面白い。右MFも戦況によって、伊東純也、堂安律を選択可能。
ボールを溜めるのは、基本的にその二人の役割となる。そこで久保のパートナーを組むFWは、いろいろなタイプを起用可能に。エースだった大迫勇也、7月シリーズのパラグアイ代表戦で活躍した浅野拓磨のケガの状況が読めないなど、日本代表のFW陣はピンチにあるが、この布陣であれば、その時、調子の良い選手を活用できる。
デメリットは、徐々にスペインリーグではその“FW久保対策”が進められてきていることが挙げられる。しかもW杯ではスペイン代表と同組。その対策をそのまま活用されてしまう可能性はある。
とはいえ、基本的に攻撃面に集中できて、素早く相手の急所であるギャップを突けるなど、「FW久保」のプラス面は多い。
W杯本番までその策を取っておく、というのも一つ手かもしれない。ただ、久保との相性(2トップ、2列目との関係性、試合途中の変化など)をチェックするうえでも、構想にあるならば、9月シリーズから採用すべきか。
森保監督は中盤の中央に相手のスペースを与えない4-2-3-1か4-3-3を採用してきた。そのバランスを崩したくない……ということであれば、2トップは最後までないかもしれない。ただ、一度はスタートから見てみたい可能性を秘めた布陣だ。
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