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長谷部誠が仕事とキャリアを語る「ミスは必ずする。そこから生まれるものに僕は魅力を感じる」。フランクフルトのジャパンツアー、『Indeed』のスタッフを前に

Indeedジャパンでトークイベントに臨んだ(左から)ウーベ・バイン氏、同社の大八木紘之CEO、長谷部誠(右)。(C)SAKANOWA

人生の選択基準は――「どっちが面白いかな、自分が変わるのかなと考えて、ちょっと難しいほうを選ぶようになってきました」。

 アイントラハト・フランクフルトのジャパンツアー(16日:浦和レッズ戦@埼スタ、19日:ガンバ大阪戦@パナスタ)のため帰国したMF長谷部誠が11月14日、東京都内で「Indeed Japan」のトークイベントに参加し、同社スタッフの前で自身の「職=プロフェッショナル」についての考え方、そしてキャリア形成について語った。

「Indeed」は2017年夏からフランクフルトのユニフォームの胸スポンサーを務めてきた求人検索エンジン。毎月3億人と世界中で最も活用されている。

 同社六本木オフィスで行われたイベントには、長谷部とともに、ウーベ・バイン氏(元ドイツ代表、元浦和レッズ所属)、大八木紘之氏(Indeed Japan代表取締役/ゼネラルマネジャー)が臨み、同社スタッフの前で興味深いエピソードや経験などを語り合った。

 そのなかで、長谷部はキャリア形成で大切にしてきたことを問われ、次のように語った。

「若い時は決断する時に非常に悩んで、楽なほうに流されることもありました。ただ次第に、どっちが面白いかな、自分が変わるのかなと考えて、ちょっと難しいほうを選ぶようになってきました。

 年齢を重ねると安定を求めがちですが、逆に僕のこれまでの流れを見ると、困難を伴う『あ~楽じゃないな』というほうを選ぶと、人間としても成長できている実感を得てきました。これからの人生も安定を求めず、面白そうだな、難しそうだなと思うほうを選び続けたいです」

 すると大八木氏は、失敗を恐れる気持ちを乗り越えるために必要なことは何かと質問。長谷部は“失敗は成功のもと”であり、むしろミスなくして成功はないと自らの経験をもとに語った。

「失敗した時のほうが自分に返ってくるものが多いと経験してきました。試合も勝った時より負けた時のほうが、自分が成長するうえで得るものは大きいです。なぜ負けたのかを研究して、そして負けた悔しさは勝利でしか取り返せません。ミスは必ずするもので、そこから生まれるものに僕は魅力を感じます」

 38歳にしてブンデスリーガ1部の強豪クラブでプレーを続け、今季はUEFA欧州チャンピオンズリーグの舞台に10年ぶりに立ち、勝利にも貢献した(フランクフルトは決勝トーナメント進出)。今後のキャリアをどのように考えているか問われると、長谷部は「多くのサッカー選手が辞めている年齢で、あとどれぐらいできるか分かりませんが、辞めた時にはIndeedさんにお世話になろうと思っています。本当に、いい仕事を探してください!」と語ると、会場は笑いが起きた。

「いや冗談ではないですよ。その際は相談させてください」と長谷部は、今は引退について考えておらず、指導者を含めいろいろな選択肢を検討したいということだ。

 バイン氏は「マコトはまだ、あと2、3年プレーできるでしょう」と言うと、長谷部は「あと5年はやりますよ!」と、これもまた決して冗談ではない様子で返していた。

[取材・文:塚越始]

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Posted by 塚越始

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