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激震ドイツ代表、「もはや世界クラスではない」と厳しい論調。責任者ビアホフ氏に批判集中

カタールW杯、天を仰ぐドイツ代表のギュンドアン。猛攻を耐えた日本代表の三笘薫と冨安健洋。(Photo by Stuart Franklin/Getty Images)

フリック監督はストライカーとサイドバックの不足を嘆くも、「そこが問題ではない」。

[カタールW杯 E組 第3戦] コスタリカ代表 2-4 ドイツ代表 /2022年12月1日22:00(日本時間2日4:00)/アル・バイト・スタジアム

 カタール・ワールドカップ(W杯)グループEの第3戦、ドイツ代表はコスタリカ代表に再逆転で4-2の勝利を収めたものの、1勝1分1敗の勝点4でグループ3位に終わり、W杯2大会連続でベスト16入りを逃した。

 ドイツ国内では、責任論が噴出。ドイツ最大部数を誇る新聞のタブロイド『ビルド』は「私たちはもはやワールドクラスではない。小さいグループの一つ。しかし誰も責任を取ろうとしてない」として、ドイツサッカー連盟(DFB)の姿勢を批判している。

 元ドイツ代表FWオリバー・ビアホフ氏が、ドイツ代表の責任者であるチームマネジャーを務めて18年が経つ。フランツ・ベッケンバウアー会長時代の「育成に力を注ごう!」という号令とともにドイツサッカー界全体が改革に着手。ビアホフ氏もそこで尽力し、ルーカス・ポドルスキー、マリオ・ゲッツェ、バスティアン・シュヴァインシュタイガーらが台頭したなか、2014年のワールドカップ制覇を成し遂げた。ところが、そこからパッとしない時代に突入していった。

 よりスタイリッシュなモダンなスタイルを追求したなか、敵陣でも自陣でもゴール前で凄まじい闘争本能を発揮するドイツらしさが薄れてしまった。今回も試合内容は決して悪くなかったとも言えるだけに、そのあたりは論調が分かれるところ。

 現在はユルゲン・クロップ、トーマス・トゥヘル、ラルフ・ラングニックら名将の起用を待望する声が相次いでいるそうだ。そうしたなか、ハンス=ディーター・フリック監督は、9番(ストライカー)とサイドバックの不足が課題だったと語ったというが、同メディアは「そんなことが問題ではない」と指摘している。

『ビルド』はドイツのタレント発掘・育成センター「NLZ」が機能していないと問題視。各クラブの育成組織の充実とタレントのトップチームへの引き上げを重視してきたものの、“ブンデスリーガの育成組織という名前だけ”になって、プロレベルにない選手もトップに昇格せざるを得ない状況になっていると疑問視している(ホームグロウン制度を採用するJリーグにも関わってきそうなテーマだ)。

 もしかすると、多くの日本人選手がプレーしているブンデスリーガだが、現在の外国籍選手枠のルールについても変更などが検討されるかもしれない。

 国を挙げての「育成」で世界一に立った。ただ、そこから結果を残せず、何かしらの修正か方向転換が求められている。目指している先はどこか? サッカー大国ドイツが暗い森の中で彷徨っている。

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